十二月大歌舞伎2020/12/16 20:34

□久しぶりに見た歌舞伎

 うん十年ぶりに歌舞伎を観た、と云っても二回目の観劇である。一回目、つまり前に観たのは、観光旅行に来た米人を案内した時で、昔の建物の歌舞伎座に飛び込みで入り、空いていた天井桟敷の席で娘道成寺を観た。舞台は華やかだったが特有のせりふ回しで、日本人の僕にもよく聞き取れなかった。
 今回は、平成25年に新装開店した歌舞伎座の一等席をちゃんと予約して、四部構成の内の、昼の部「心中月夜星野屋」を観た。
 落語を下敷きにした新作歌舞伎で、大店の旦那と妾がくりひろげる心中騒ぎ、男と女の化かし会いのコメディだった。良く知らんが、フランス人が喜びそうだ。
 橋の欄干から飛び降りると見せて、海老のように腰を曲げて後ろ飛びに逃げるなど、身体を使ったギャグが報復絶倒であった。歌舞伎の伝統的な身体表現の一つなのであろうが、ドリフターズの体当たりギャグの原型もこれかも知れない。鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」にも似たギャグがあった気もするが記憶が朧である。
 せりふも、歌舞伎特有の節回しは活かしつつ、完全に現代の日本語なので、問題なく楽しめた。
 後日、家でTVを観ていたら、コロナ下での、まさにこの公演に懸けた一座の努力と執念がドキュメンタリーで紹介されていた。これだけの苦労がかかっているのだ、一等席8千円が高いとは言ってはいけない。

「心中月夜星野屋」キャスティング
 ・ おたか(妾) 中村七之助
 ・ 星野屋照蔵(大店の旦那) 市川中車
 ・ 母お熊(妾の母) 市川猿弥
 ・ 和泉屋藤助(おたかを星野屋に紹介した斡旋人) 片岡亀蔵


歌舞伎座
歌舞伎座


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