大津絵2020/11/02 20:12

□もう一つの江戸絵画 大津絵(東京ステーションギャラリー)

 大津絵とは、その名の通り滋賀県の大津で江戸時代に売られていた土産物の民画のことを言う。今も観光地で売られているご当地ペナントのようなものであったらしい。多くは墨版で絵の輪郭を量産したのちに、合羽摺(ステンシル)や手で彩色して仕上げられた。図柄は、寺、仏、鬼、美人、若武者、猫とネズミ、ひょっとこ、鷹などおよそ10種類くらいで、同じ種類の絵は、皆よく似ている。不思議なのは、旅の土産物であるのに風景画がないことだが、もともとお守りのような宗教画であったかららしい。訓話のような歌が刷り込んであるものもある。
 同じ版画でも、絵師の個性と彫り師、摺師の技術を誇る絢爛豪華な浮世絵に比べて、おおらかな気取らないタッチが庶民的な大津絵の魅力だ。展示された絵はすべて土産に持って帰りたいが、特に僕は、ネコにせっせと酒を勧めているネズミの絵が大好きになった。逆にネズミに酒を勧める猫の絵もあり、これまた愛らしかった。
 

大津絵 東京ステーションギャラリー


丸の内のクマ2020/11/02 23:38

□いつのまにか立っていた。

 大手町のオアゾの前にいつの間にかでかいクマが立っていた。
 どこかで見たような表情のクマだと思ったら、彫刻家の三沢厚彦の原型だった。
 近づくと作業員がペンキを塗っていて、「お色直し中」の看板が立っていた。
 ということは、だいぶ前から立っていたことになる。
 退職してからは、丸の内には来ることもなかったからなあ。


OAZO前
OAZO前


続・カンヴァスの向こう側2020/11/04 18:54

□続・カンヴァスの向こう側-リディアとトラの謎
                        (フィン・セッテホルム著 枇谷玲子訳 2017)

 時をかける少女リディアの、絵をめぐる冒険の第2話。今回は、大好きなお爺ちゃんを人質にとられ、ゴッホの絵を買いに19世紀の南仏にタイムスリップするが・・・。
 前作では魅力的な水先案内人を務めた鳥少年は、大人になってすっかり悪人となり、悪の奇術師(マッドサイエンティスト?)ホフマンと手を組んでリディアを苦しめる、さらには謎のトラまで時空を超えて追っかけて来る、という波乱万丈の展開。
 今回も、彼女が出会うのは、ゴッホ、ゴーギャン、フリーダ・カーロ、北斎、カラヴァッジョという古今東西の美の巨匠だが、加えて、なんと小説の世界のロビンソン・クルーソーともサバイバル生活を体験し、最後はアインシュタイン博士と弟子の天才数学少女の助けを借りてお家に戻るのであった。
 このシリーズ、リディアは、行く先々の画家に自分の描いた絵を見せていて、画家のいかにもそれらしい反応が面白いのだが、なぜか北斎には見せていない。子供ながら西洋の伝統に沿ったリディアの絵を、北斎がどう評価するかは、本作の一つのポイントとなった筈なのに残念である。
 それにしても、鳥少年は随分と性格が悪くなったものである。また。タイムマシンを作りあげ、いかなることも出来たであろうスーパー奇術師ホフマンが、何故リディアに無理強いしてせこい金儲けをたくらむのか、悪の天才ものにつきものの永遠の謎は今回も健在であった。


続・カンヴァスの向こう側


スマホの取り換え2020/11/05 23:09

□修理と中古が同額。

 突然iPhoneSEが死んだ、買って2年と数か月だ。起動もできなければ充電もできない、ただ真っ黒の画面だ。
 町の修理屋に持っていき調べてもらうと、基盤の故障だった。たまにあることらしい。修理には1万4千円かかるが、データを救い出すためのものなので、修理後も長く使うのであれば勧めないと言われた。診断料2千円払って引き上げる。
 中古屋を覗くと、iPhone6が1万4千円であったので購入した。ついでに壊れたSEを300円で買ってもらった。
 iCloudのおかげで写真と連絡先とスケジュールはすぐに復帰できた。
 やれやれ、今度は5年くらいはもってほしいものだ。

中華ToGo2020/11/06 17:58

□文菜華のテイクアウト

 たまには豪華に、文菜華のフカヒレ中華をテイクアウト、
 蒸熱BOXという弁当箱に入っていて、紐を引っ張ると熱々にあったまる。
 んまい、んまい!


文菜華


公園の黄葉2020/11/06 18:31

□どちらも黄金色に。

 柏公園の満なkの大きな木、柏ふるさと公園の入り口のイチョウ、どちらも良い塩梅に色づき始めていた。


柏公園
柏ふるさと公園


スマホどたばた2020/11/06 19:22

□一日で取り換える。

 昨日買った中古iPhone6、気が付いたら電話が通じない、いつも「圏外」なのだ。 
 買った店に調べてもらったら、僕のSIMとの相性が悪かった。返品して、より新しい6Sに取り替えてもらった。電話が復活した。
 やれやれ。

日本ワイン礼賛2020/11/08 00:03

□日本ワイン礼賛(辰巳琢郎 2018)

 俳優であり日本ワインの応援団長を自ら任ずる辰巳琢郎が、「日本ワイン」のラベル表示が法的に定められた「日本ワイン元年」の2018年に、満を持して出版した日本ワインの入門書。大変読みやすく、読後、日本ワイン、特に古来から自生している山葡萄を醸したワインが飲みたくなった、
 確かにここ10年くらいで、甲州を筆頭に日本のワインはどんどん美味くなっている。地産地消の強みで防腐剤も少ないのか、二日酔いもしない、当然だが和食にもばっちりあうので大変結構である。
 もっと飲みたいが、狭い国土の日本のワインは、普段飲みクラスでは輸入品と比べて少々お高めである。それは仕方のないことでもあるのだが、僕の財布の都合も仕方のないことであって、今もコンビニ新世界ワインを飲みながらパスタを食べているのであった。


日本ワイン礼賛


柏の葉の紅葉2020/11/08 17:46

□見ごろの公園

 柏の葉公園の紅葉が見ごろだった。例年より早いかもしれない。
 枝を払った跡が、人間の顔みたいになった樹が居た。


柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園
柏の葉公園


桃山展2020/11/10 19:36

□「桃山 天下人の100年」展(東京国立博物館)

 狩野永徳と長谷川等伯の大屏風を目玉に、桃山時代の美術に焦点を当てた展覧会を観てきた。一応事前予約制だが、平日の所為か、ふらりとトーハクに行っても問題なく入れた。中もコロナ禍の影響か、それとも後述する別の理由か、空いていてゆったりと名品を鑑賞できた。
 ともすると大名のご用絵描き工房で、大げさではあるが芸術性は低いというイメージの狩野派であるが、いやいや実物をみると大した造形であり、さすがその時代の主流と感心した。ともかく、うまい、うまい、上手い。
 対するライバルの等伯も素晴らしく、絢爛豪華な楓も描くが、圧巻だったのは巨大な水墨画の「松林図屏風」、元祖朦朧体というか、ダヴィンチも真っ青な空気遠近法の極致である。狩野派でも少々マイナーな山雪の困ったような顔のトラの絵も可愛い、背景はまるでカンディンスキーである。絵とコラボした伊達政宗の書もあって、まことに美的な字なので、とても驚いた。
 この展覧会、絵や茶道具などとともに、大名たちが愛した甲冑や刀剣も展示してあったが、美しくもギラリと光る人殺しの道具の魔性に、戦国時代の血煙の残り香を嗅いだ。死の匂いは、華やかで豪壮な屏風絵の裏にも潜んでおり、後の町民文化の頂点、琳派や浮世絵には見られないものである。どんなに美しくても桃山の本質は、武家の芸術なのだ。そういえば織部焼の創始者 古田重然も切腹させられている。 
 博物館を出ると、目の前には金色に輝く黄葉があった。
 それにしても拝観料2400円はちとお高い、年金暮らしには辛いのであった。


上野トーハク
上野トーハク