カイロス打上失敗2024/03/13 11:43

□あちゃー😫

 日本初の民間ロケットによる衛星打ち上げとして、「スペースポート紀伊」から今朝発射された「カイロス」だったが、打ち上げ直後に爆発し失敗に終わった。
 下町ロケットはなかなか難しい。
 再発防止策なのだが、まずロケットの名前を変えてはどうかと思う。
 カイロス(Kairos)はチャンスを意味するギリシャ神話の神の名前と言うが、同じ神話に出てくる墜落したイカロス(Ikaros)のアナグラムにも読めて縁起が悪いのでは。


Kairos
            写真:関西テレビ3/13

Oscars for Two2024/03/11 18:05

□快挙二連荘!

 米国アカデミー賞にノミネートされていた日本映画2本がめでたくオスカーを受賞した。視覚効果賞の「ゴジラ-1.0」と長編アニメ映画賞の「君たちはどう生きるか」だ。
 ゴジラは低予算でCGと実写を合成して迫力ある映像を作る技術が、「千と千尋の神隠し」に次ぐ2度目の受賞となった宮崎アニメは、王道の異世界ファンタジーと手書きの2次元作画に拘った日本アニメのスタイルが評価されたようだ。
 何にしろ目出度い話だが、特にゴジラの視覚効果を支えた「白組」は、中心となったCGアーチストをハリウッドに引き抜かれないように気を付けた方が良い。
 午後、福島を思い黙祷。


Godzilla at Kinejun-theater


鳥山明さん2024/03/08 16:28

□さようならDr.スランプ

 アラレちゃん(Dr.スランプ1980~)や悟空(DRAGON BALL1984~)でおなじみの漫画家、鳥山明さんがなくなった。ゲーム「ドラゴンクエスト」のキャラクターも有名だ。
 もともとデザイナーだっただけに、摩訶不思議な人物や魔物やメカの造形に抜群の手腕を発揮して楽しませてくれた。
 享年68歳はいかにも若いが、今秋から始まるDRAGON BALLの新シリーズアニメ(DAIMA)を、天国からの贈り物として楽しみにしよう。
 合掌。

「三体」TV版2024/02/28 13:29

□中華SFドラマ一気見

 世界的なベストセラーになった中華SF「三体」のTV版をWOWOWオンデマンドで一気に(といっても半月くらいかけて)視聴した。科学者の謎の連続自殺から宇宙からの侵略が明らかになるまで、三部作である原作の第一部をほぼ忠実に30話で再現している。長かったがとても面白かった。
 感心したのは、クライマックスのタンカーの場面を別にすると、それほど派手なCG/SFXを使わずに、推理タッチの人間ドラマでSFとしての緊張感を維持した演出、中国の制作陣の水準はハリウッド並みに高い。サブタイトルは"Three-Body"、エンディングの歌も英語であり、明らかに世界市場を意識していた。


三体


タイムスリップ聖徳太子2024/02/18 21:42

□タイムスリップ聖徳太子(鯨 統一郎 2011)

 「タイムスリップ森鴎外(2002)」が面白かったので、そのタイムスリップシリーズの第8作にあたる「タイムスリップ聖徳太子」も読んでみた。言い難いのだが、シリーズのネタが尽きたのか作者が飽きたのか、「タイムスリップ森鴎外」と比べると随分と雑な仕上がりの印象を受けた。
 なぜかアジアの超能力暴君王として君臨する聖徳太子に、教え子を助けんと現世日本から転生した高校教師が戦いを挑むという異世界冒険談になってしまっていて、歴史を逆引きするタイムトラベルものの面白さはほとんど皆無だった。
 ううむ、残念だなあ。


タイムスリップ聖徳太子


H3打ち上げ成功2024/02/18 16:58

□三度目の正直は大成功 !^▽^!

 JAXAは17日、昨年の打ち上げ中止とそれに引き続く打ち上げ失敗を乗り越えて、国産新型ロケットH3の打ち上げ、ならびに模擬衛星と超小型衛星の軌道投入に成功した。
 祝 三度目の正直!


H3成功


タイムスリップ森鴎外2024/02/10 02:41

□タイムスリップ森鴎外(鯨 統一郎 2002)

 大正時代から現代日本にタイムスリップして来た森鴎外が、昭和初期の文人を次々と殺害した(かもしれない)シリアルキラーを、ミニスカ女子高校生とオタク文学少年の力を借りて解き明かすという、文学SFミステリー。
 タイトルにタイムスリップとあるので一応SFにも分類したが、重点は昭和文学史の謎解きであり、森鴎外がなぜ時間旅行できたのかは全くわからないので、そういうのは期待しないように。
 で、結局、あっと驚く意外だが誰もが納得する犯人が炙り出されて大団円なのだ。
 大変読みやすい文体で一気に読ませられた。


タイムスリップ森鴎外


ゴジラとエヴァンゲリオン2024/02/05 19:17

□ゴジラとエヴァンゲリオン(長山靖生 2016)

 ゴジラと言っても「シン・ゴジラ(2016)」、それと「エヴァンゲリオン(1995~)」なので、実質、庵野秀明(監督)論である。僕の読後感では、どちらも戦争の影を引きずっており、戦争(=武器)オタクと反戦論者の同居というアンビバレンツな性格が庵野監督の作家性と言うことになるらしい。
 筆者には、「ゴジラマイナス1.0(2023)」が公開された今の時点で、もう一回ゴジラ論を展開してほしいかな。




ドラキュラ・シンドローム2024/01/31 14:24

□ドラキュラ・シンドローム 外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝
                         丹治 愛(2023(文庫版))

 ドラキュラを題材に19世紀末イギリスの外国恐怖症を分析した文学研究。もともとが学術書なので文章は硬く読み辛い。引用文献も当時の風刺画も含めてんこ盛りである。つまり大変よく調べてあるので、これからドラキュラをネタに何か創作したい人は読んでおいて損はない、と思う。
 僕が理解した範囲では、ブラムストーカーの「ドラキュラ」とは、植民地支配を進めてきた大英帝国が、いつかアジアからしっぺ返しを受けるのではないかという恐怖を背景に、当時急増していた東欧ユダヤ難民に対する警戒とコレラ流行への危機感が魔人の形をとったものという趣旨のようだ。例えば、ドラキュラがユダヤ人のステロタイプであるカギ鼻であることを指摘している。
 しかし、今に至るも、ドラキュラは、欧米はおろかアジアを含めて世界中で大人気である。この普遍的な人気の源泉についての言及がないのは少し残念。


ドラキュラシンドローム


SLIM/SORA-Q快挙2024/01/26 23:26

□リアルトランスフォーマー月面へ

 日本初の月着陸実証機「SLIM」(無人)が25日、ピンポイントで月面に着陸し、その証拠写真が、搭載されていた超小型変形月面ロボット「SORA-Q」によって送られて来た。このロボット、着陸寸前の「SLIM」から球状の形で放出され、月面に着くと変形してSLIMを探し写真に撮るという優れもの。「JAXA」と玩具メーカーの「タカラトミー」等が共同開発した、いわばリアルトランスフォーマーが見事に機能したわけだ。
 偉いぞ、SORA-Q! 偉いぞ、タカラトミー!
 本当におめでとう。
 残念ながらSORA-Qが撮った写真では、SLIM:は上下ひっくり返って着陸している。このため太陽電池に光が当たらず、今は電池切れで機能が停止している。しかし、太陽光の向きが変われば電源復帰の可能性もある。
 頑張れ!
  (追伸)
 願いが叶ったのか、28日、太陽の位置の変化に伴ってSLIMの電源が復活し、写真撮影などの探査活動を再開した。昼間は百度を超える月面の過酷な環境の中で、少しでも長く活躍できることを願う。
 (追伸2)
 その後、着陸地点の太陽が沈んだため、SLIMはまた休眠したと2月1日に発表された。太陽が再び当たる2月中旬まで、SLIMが氷点下170°にいたる月の夜を生き延びることを望もう。