カメラを止めるな!2018/09/18 17:56

□ミッションインポッシブルよりも面白い!!!?
  One cut of the dead

 いや~、面白かった。
 今年観た映画の中では、「ミッションインポッシブル」を抜いて一位の面白さだ。
 片や製作費二百億円、こちらは三百万円!
 映画は金ではない!情熱だ~!!!?
 ネタバレになるので詳しくはかけないが、ゾンビ映画にして、映画の映画、メタ映画だ、そして家族の物語だ。
 見るべし、見るべし、見るべし!!!


カメラを止めるな


美しい星の上のサイン2018/09/12 19:24

□われらの文学(第5巻 三島由紀夫)(編 大江健三郎・江藤 淳 1966)

 三島由紀夫の書いたSF「美しい星」を読みたいと思って、かなり前から本屋や図書館を探し、古本屋まで覗いたのだけれど、なかなか見つからなかった。そもそも三島由紀夫の著作そのものが、店頭や図書館からほとんど消えていた。今簡単に見つかるのは「金閣寺(1956)」くらいのものだろう。ノーベル賞候補と目された大作家でも、既に化石化して読まれなくなっているのだ。そういえば、SF界の巨人、小松左京の本も少なくなっていた。
 文学もどんどん風化するのだ、恐ろしいことだ。
 結局、図書館のコンピュータで検索して「われらの文学(Contemporary Literature)」という、これまた今やお目にかかれなくなった文学全集というスタイルの、三島由紀夫の巻に収録されているのを見つけ出し、開架ではなく倉庫のような所から出してもらって、ようやく読むことが出来た。
 この文学全集、編者が大江健三郎と江藤 淳であるが、よくも大江健三郎が三島由紀夫を、われらの時代を代表する者として選んだと思うと、何か可笑しい。
 さて、肝心の「美しい星(1962)」であるが、ネタバレで書くが、ある日突然、自分達が宇宙人だと覚醒した(外見は普通の日本人の)上流インテリ一家が世界を核戦争から救うために、純粋の善意で活動するが、世俗にまみれた(これも普通の人間にしか見えない)邪悪な異星人に阻まれ、最後には宇宙船に乗って美しい星を目指すという、竹取物語のような物語である。家族の美貌の娘にいたっては、金星人の色男にだまされ、妊娠させられて捨てられるのである。嗚呼可哀想なのである。
 自分を宇宙人と思い込んだ人間を主人公にした小説としては、ほぼ同時代に、安部公房の「人間そっくり(1966)」があり、アイデアは似ているが、安部のは、延々と続くモノローグが読者を論理の迷宮につれこむ思弁小説なので、読後感は全然違う。
 対して、三島は、絶対的な美への憧れを主人公に仮託しており、そういう意味では、「金閣寺」と同じ構造であるので、安部ほどSFではない。
 で、われらが主人公の宇宙人一家が夢にまで見た宇宙船がついに現前する所で、小説は大団円を迎えるのであるが、果たしてこの宇宙船は現実なのか、一家が観た集団幻想なのか、タイトルの「美しい星」とは何か、すべては謎のままで放り出される。はっきりしているのは、理想主義が現実主義に敗北したことである。
 本作は、擬古文的な美文で綴られる動きのない大長編であるので、短気な人には勧めにくいが、早世した巨匠の唯一のSFであるので、探し出して読むべし!
 なお、借りだした本の見返しには、Yukio Mishimaなるローマ字のサインが入っていた。図書館の人に調べてもらったら、本は寄贈されたものであったので、ひょっとしたらこのサインは本物かもしれない。そうすると、柏図書館は、お宝探偵団に出品できる蔵書を持っていることになる。
 インターネット上で見つかる三島由紀夫のサイン画像と比べてみた。少し違うような気もするが、真偽は判然としない。
 

三島由紀夫
三島由紀夫サイン?


ジュラシック・パーク2018/09/01 18:25

□MX4D初体験

 「ジュラシック・ワールド」の最新作「炎の王国」を16号線沿いの巨大モール「セブンパークアリオ柏」まで観に行った。何故、家から遠い7パークに行ったかと言うと、椅子が動くと評判の最新体感映像設備「MX4D」で観たかったからだ。
 で、これが大正解だった。恐竜の足音にあわせて、座席はマッサージチェアのようにズンズンと揺れ、恐竜の鼻息まで風で再現されるので、ジュラシック・ワールドのような、ハラハラドキドキのジェットコースタームービーにはぴったりの設備であった。映画を観賞するというよりも、遊園地のアトラクションを楽しむ感覚に近い。
 観る前は、通常の観賞券にプラス1300円(3D眼鏡は持参)は、高いなあと思ったのだが、今では、この方式にはまる映画があれば、また試しても良いと思っている。
 帰り道、今日も突如の雷雨に襲われる。


柏7パーク


レディ・プレイヤー12018/08/17 20:00

□おもちゃ箱鵜をひっくり返したような楽しさ

 スピルバーグ監督が、自分が好きな世界中の特撮、アニメ、ゲームのキャラクターを詰め込んだ、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい映画だった。
 ゲームの世界での攻防と現実世界の策略が行きつ戻りつして描かれるが、筋は、あんまりどうでもよく、よく見知ったキャラクターが飛んだり跳ねたりするのを率直に楽しめばよい。ガンダムやメカゴジラも重要な役!?で出演している。
 監督自身のキャラクターは、バックトゥーヒューチャーの車型タイムマシン、デロリアンとジェラシックパークの恐竜くらいと露出が控えめだが、シリーズ化する気が満々なタイトルから、次作で、ETやインディ・ジョーンズが出てくるのを期待しよう。その際は、日本からは、やはり、鉄腕アトムには、出てほしい。


映画


繰り返される母音2018/07/24 19:49

フクシマ・ゴジラ・ヒロシマ(クリストフ・フィアット 2013)

 ゴジラに象徴される日本を取材しに来たフランス人劇作家が、大震災直後の福島と、元祖グラウンドゼロ(爆心地)の広島と、東京を、ゴジラの咆哮と、何故か三島由紀夫の霊らしき者とに脅されながらさまよう幻視行。
 結局、この経験は、旅の終わりに、戯曲「DAIKAIJU EIGA」としてまとめられ、こまばアゴラ劇場で上演されたが、ネット上の観劇記からは不評であったようである。
 本のタイトルは、三つの単語の最後に母音のAの音が入るので、韻が心地よい。

Remember Me2018/07/15 20:59

□やっぱり墓参りはしよう

 最近のディズニー/ピクサーのアニメの中で一番傑作なんじゃなかろうか、話のベースになったメキシコの「死者の日」と日本のお盆と、底にある死生観が似ているせいか、率直に感情移入が出来て、やっぱり、たまには仏壇の遺影の埃を払ったり、墓石も磨かにゃあいかんなあという気になってくる。


Remember Me


ハーラン・エリスン氏逝去2018/07/01 12:15

□スタートレックの脚本もかいていたんだ。

 ニューウェーブ(当時)のSF作家として知られたハーラン・エリスン氏が6月27日に亡くなっていた。氏の名前は、SFファン以外には知られていないが、出世作の一つの邦題「世界の中心で愛を叫んだけもの」は、エヴァンゲリオン(TVアニメ)最終話のタイトルにオマージュ的に引用されたり、なによりも、SFとは全く無関係な恋愛小説とそれを元にしたTVドラマのタイトル「世界の中心で、愛を叫ぶ(セカチュー)」として、引用(パクり!?)されたので、題名のみは日本国中で有名になった。
 いわば、本歌取りのみが有名になった元歌の忘れられた原作者だ。
 とは言っても、「世界の中心で愛を叫んだけもの」の原題は、The Beast that Shouted Love at the Heart of the World なので、 褒められるべきは、あるいは盗用?に怒るべきは、at the Heart of the World を「世界の中心で」と訳した名翻訳者 浅倉久志氏なのかもしれない。


本郷


犬ヶ島2018/06/02 20:13

□素晴らしい人形アニメーション

 気の遠くなるような作業を積み重ねた人形ストップモーションアニメが描く、少年アタリと犬たちの献身と友情の物語。
 架空の近未来日本、ウニ県メガ崎市犬ヶ島(ゴミの島)で、少年は捨てられた愛犬スポッツに再会できるのか!?
 すべては猫の陰謀だったのか!?
 オノ・ヨーコさんも特別出演!
 僕には、「ピーター・ラビット」の三倍以上面白かった。
 お薦め度五つ星!☆☆☆☆☆!
犬ヶ島


鉄腕アトムを手伝った鉄人28号2018/05/23 15:56

□図説 鉄腕アトム(森 晴路 2003)

 日本SF漫画界の神にしてアニメ(Japanimation)の生みの親、手塚治虫の代表作であり、今なお虚実のロボット開発に多大な影響を及ぼし続ける不滅のキャラクター、鉄腕アトムを、主に雑誌「少年」連載時のマンガを引用しながら解説したアトム研究書。
 資料としては、鉄腕アトム全話の解説が収録されてる点が貴重であり、僕は、ここで初めて、横山光輝が手塚治虫を手伝っていたことを知った。「少年」で鉄人28号の連載を始めたばかりの横山光輝が、同じ雑誌の看板マンガ「鉄腕アトム」の「美土路沼事件」というエピソードを手伝っているのだ。
 以前から石ノ森章太郎などトキワ荘の仲間が手塚治虫をアシストしていたことは有名だったが、アトム派と鉄人派に分かれるほど当時のロボットマンガの人気を二分した両巨匠が協力していたとは、とても心温まる事実である。
 

鉄腕アトム

鉄腕アトム


The Shape of Water2018/05/21 00:59

□オスカーを取った半魚人!

 みんながあれよあれよと思っている間に、めでたく2018年のアカデミー賞(作品賞等四冠)の栄冠に輝いた初のSF映画である。「2001年宇宙の旅」も「スターウォーズ」も取れなかったアカデミー賞を半魚人が取ったのであるから、これは本当に凄い映画である筈である。実際は、懐かしの「アマゾンの半魚人」のリメークなのだが、半魚人の姿形以外は、あまり共通点はない。
 「しあわせの絵具」で女流画家モード・ルイスの生涯を演じたサリー・ホーキンスが、今度は、半魚人に恋して水中Fxxkに挑戦している。一目見たら忘れられない個性的な顔はこの映画のヒロインにぴったりだ。そういえば、山口百恵の旦那である三浦友和も小松左京監督の「さよならジュピター」で、無重力Fxxkしていたなあ。
 全体的には、SFとブロードウェイミュージカルのごった煮的な、大金と才能と労力を一杯つぎ込んだ、本気のパロディのような不思議な映画だった。
 あと、関係ないと思うけど、半魚人のまん丸でつぶらな瞳は、高橋智隆がデザインする日本のコミュニケーションロボットの目に似ているなあ。
 また、猫好きの人には、少々ショッキングな場面があるので勧められない。
 余韻のある終わり方なので、その内「帰ってきた半魚人の息子」とかいう続編が出来るかもしれない。
 なお、アカデミー賞の威光にもかかわらず、おおたかの森の一番館では、意外と早く上映が終了していたので、僕は、駅前の二番館で観たのだが、これは、やはりゲテモノと思われて、日本では観客動員が伸びなかったのであろう。


The Shape of Water