GODZILLA2019/06/05 20:05

□ネタばれあり GODZILLA: KING OF THE MONSTERS

 ハリウッドGODZILLAの第2作目(エミリッヒ・ゴジラを入れれば第3作目だが、あれはみんな無かったことにしたいであろうので)、ラドンもモスラもキングギドラも出て、早くも怪獣大行進、オールスター出演である。
 前作に比べて、渡辺謙(芹沢博士)の出番が多く、台詞も(ミュージカルで鍛えられて英語が上達したためか?)随分と長い。準主役級の結構いい役だと喜んでいたら、最後はステロタイプな特攻日本人にさせられていた。ちと微妙な気分である。
 本作は、すでにオールスターキャストなので、これでもうシリーズは終わりじゃないかと危惧したが、ラストは、しっかりと次作に繋がる場面だった。しかし、前述の理由で芹沢博士の出番はもうないのだ。
 なお、伊福部昭の、かの隠れストラビンスキー的なゴジラのテーマが、重要な場面できちんと流れるのを聴くのはとてもうれしかった。
 しかし、アメリカ人は、本気でゴジラ(核兵器)を制御・活用できると思っているらしい、今回の太ったゴジラはトランプに似て見える、慢心ではないか?


GODZILLA


グリーンブック2019/05/30 19:40

□一つのロードムービーの典型

 1960年代の黒人差別がまだ露骨であった南部に、あえて演奏旅行に出かけた人気黒人ピアニストとその運転手兼ボディーガードのイタリア系白人との反感と友情を描く道中記。最終的には仲良くなるので後味はよろしい。
 映画で描かれるのは、アレサ・フランクリンが人気絶頂のころのアメリカだが、僕が同時代的に知っているあの時代でも、高級レストランへの黒人の入場拒否などが普通に悪意なく行われていたんだと改めて驚いた。
 基本ロードムービーなので、主人公たちは、演奏会場から次の会場へと延々と車を走らせるが、酒飲んでから普通に運転しているのが時代だ。
 

GreenBook


翔んで埼玉2019/05/11 20:02

□怪演対決(ネタバレあり)

 駅前のキネマ旬報館で、「パタリロ」の魔夜峰央の漫画を原作にした「翔んで埼玉」を観た。GACKTの主役・怪演で話題となった映画だが、敵役の伊勢谷友介も負けず劣らずの怪演で、もう一人の主役の二階堂ふみは完全に食われていた。
 ふなっしーも賛助出演の捧腹絶倒のギャグ満載で、千葉県民の僕も十分に楽しんだが、気になったのは、映画では、千葉と埼玉が組むこと。チバラギと言われるくらいなのだから、本当は千葉は茨城と連合するのが史実に近いのではないか。
 次作があれば検討を望みたい。 


             悪の総本山 都庁内部

名探偵ピカチュウ2019/05/09 20:09

□毛がほわほわしていた。

 ハリウッド製の実写版ポケモン映画を観てきた。
 おっさんくさいピカチュウが出てくるというので、TEDみたいなもんを想像していたら、意外とまともなポケモン映画だった。その分、大人向けなのか子供向けなのか中途半端な感じで、あんまりヒットしないと思った。映画館にも子供が来ていなかったので、少なくとも日本での興行成績は望めないであろう。
 実写版(と言ってもCGなのだが)で分かったのは、アニメでは不明であったピカチュウの身体の表面が、ほわほわと毛皮で覆われていたこと。やはり、ピカチュウの正体は、ネズミの一種、黄色い電気ネズミだったのだ。




ゴジラvsキングギドラ2019/05/01 16:37

□最初に観た時より面白く感じた。

 駅前のキネマ旬報館でリバイバル上映を観た。本当は、キングギドラが初めて登場した「三大怪獣 地球最大の決戦(1964)」と間違えて観たのだけれど、予想以上に面白かった。
 不思議なことに、封切時(1991)に観た時よりも面白く感じたのだ。


キネマ旬報


マスカレード・ホテル2019/04/20 22:53

□もっと華やかな方が良い。

 ご近所の弐番館でやっていたので観に行った。
 キムタク(木村拓哉)さんがちゃんと演技していたので驚いた。ピンの役者として生きていきたいのだ。そうであれば、実はもうSMAPはどうでも良かったのだと、あの解散騒ぎの際の立ち位置に納得した。
 話はいわゆるグランドホテルもので、各エピソードを束ねるのは殺人事件だ。タイトルの割には、犯人も被害者も貧乏たらしいのが残念だ。もっと忖度したりされたりしているらしい上流階級の虚飾を派手派手しく、かつコミカルに描いて欲しかった。

おかえり、ブルゴーニュへ2019/01/16 22:45

□味の薄い前菜みたいな・・・

 観ればワインが飲みたくて堪らなくなり、近場のフレンチレストランに駆け込みたくなる映画かと思ったら、それほどではなかった。
 一度は故郷を捨てた老舗ブルゴーニュワインの御曹司が、父親の死去を契機に実家に戻り、兄妹で力を合わせて、一級畑とワイナリーを守るという、どこかで聞いたことのあるような気もするお話。
 季節により移り変わるワイン畑の丘は一応美しいのだが、凄くというほどではなく、ワイン造りの描写もそれほど丁寧では無かった。
 ただ、少量生産のこだわりワインは、未だに葡萄を裸の足で踏みつぶしているということが分かって勉強になった。但し、ローマ時代には乙女が踏みつぶしていたらしいが、今はむくつけきオッサンも参加していたので、見なければ良かったと思った。
 全体に、味の薄い前菜のような印象の映画。

アリー/スター誕生2019/01/12 19:32

□ドキュメンタリータッチの新「スター誕生」

 「スター誕生」は、これが4度目のリメイクとなる芸能サクセス・ストーリーだが、今回は、平成の歌姫レディー・ガガ(マドンナは昭和の歌姫だと思う)をヒロイン役にすることによって、先だって封切られた「ボヘミアン・ラプソディ」と並ぶドキュメンタリータッチの音楽映画として蘇った。
 ともに、顔にコンプレックスをいだく主人公(フレディ-・マーキュリーは出っ歯、アリーはデカ鼻)が天性の美声でのし上がっていく話とも言えるが、現実のくびきに縛られたラプソディよりは、もとからフィクションのアリーの方が、素直に盛り上がれた。
 アリーが成功した後も、アリー発掘の役目を終えた亭主がなかなか画面から消えないのでうざったく疑問に思っていたが、実は、最後に話を締めくくる大事なお役目が残っていたのだ。この旦那役兼本映画の監督のブラッドリー・クーパーは、役者が本職で歌手ではないのだが、声が良く歌が上手いので感心した(ギターリフの手のアップは多分吹き替えと思うが)。

マダムのおかしな晩餐会2019/01/08 19:09

□羊頭狗肉な邦題

 題名から、かの、お腹がすくことこの上なしの名画「バベットの晩餐会」みたいなもんを期待して観たら、まるで違った。中年男女の余り爽やかでない恋の駆け引きだった。見方によっては、かなり差別的な、金持ちが女中をもてあそ不愉快な話だ。
 最後の場面では、金持ち男が女を追いかけるかもしれないと思わせぶりな終わり方をするが、ずるそうな男だから多分そんなことしないのだ。
 晩餐会の場面は短く、美味しそうな料理のアップも無かった。
 なんせ、原題は、単なる「マダム」なのだ。
 邦題が羊頭狗肉なのだ。
 晩餐会でヒロインが話す下ネタジョーク(メロン→洋梨→玉ねぎ VS 樫の木→樺の木→クリスマスツリー)を覚えられたのが、数少ない収穫か。

ゆきゆきて、神軍2018/12/24 21:52

□クリスマスイブには重かった映画

 太平洋戦争(大東亜戦争)終戦 1945年
 映画「ゆきゆきて、神軍」公開  1987年
 奥崎謙三 死没(85歳)      2005年
 キネマ旬報シアターにて上映   2018年

 戦後42年、南方に派遣され、終戦後にもかかわらず自軍に銃殺された兵隊の死の真相を探るべく、部隊の元上官、元隊員を訪ねて回る奥崎謙三元上等兵(自称 神軍平等兵)を撮影したドキュメンタリー。奥崎は、話を聞きだすために、時に暴力を使い、時に妻や友人を死んだ兵の親族と偽って同行させる。
 関係者は、奥崎の執拗な追及に、次第に、もはや敵と戦うどころではなくなっていた戦争末期のおぞましい部隊の状況を証言する。映画の撮影後、奥崎は、銃殺刑の責任者と判断した元上官の殺害を意図するが、応対に出たその息子を銃撃し、殺人未遂罪で服役する。
 非常に重い映画、主役の奥崎には、アクと暴力性が強すぎてとても感情移入は出来かねた。しかし、その行動には、確かに一つの正義があると言わざる得ない。
 この映画は、組織(例え普通の会社だとしても)が本質的に持つ恐ろしさと、いかに、日本人が、制御された暴力機関としての「軍隊」の運営に向いていなかったかを強く印象付ける。それ故に、この後味が悪く、薄気味悪い映画は、未来永劫に、保管され、定期的に上映されるべき反戦映画であろう。