The Fall ― 2026/02/01 23:04
Movie Review: The Fall (Director Tarsem Singh, 2008)
An injured stuntman in a hospital tells a fantastical story to a young girl with a broken arm.
Fabulous performers in brilliant costumes designed by Japanese artist Eiko Ishioka bring to life a vivid world of swords and magic.
Although the film was released 18 years ago, it still feels fresh.
Enjoy the beautifully bizarre adventures.

鬼滅の刃 無限城編 ― 2025/12/16 22:18
□鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来
(原作:吾峠呼世晴 監督:外崎春雄 2025)
「チェンソーマン」に続いてまた話題のアニメを観てしまった。我ながらつくづくミーハーである。今回も「今のアニメはやっぱスゴイな!!(c)みうらじゅん」と感心した。
スタイリッシュな作画の「チェンソーマン」に比べて、「鬼滅の刃」の少年少女剣士は昔の漫画の丸っこい人物造形で描かれ、少女の目にはお星様どころか桜の花がきらきらと輝いているが、話は鬼と人との殺し合いなので「チェンソーマン」に劣らずえぐい。最強の敵、猗窩座とのバトルでは、これでもかと壮絶な技の応酬が披露される。話に深みを出すために猗窩座の人間時代が語られるが、少々冗長であった。
しかし、一番の売りは、戦いの場に設定された無限城の描写であろう。エッシャーの絵を思わせる目くるめく永劫回帰のだまし絵は圧巻であった。おそらくそれを可能とする3D画像データーは一回の上映では元を取ることが難しく、ために今回のタイトルには「無限城編 第一章」と明白に次章を予告しているのではないか。

おーい、応為 ― 2025/12/14 20:32
□おーい、応為(監督:大森立嗣 主演:長澤まさみ 2025)
レンブラント張りの光と影の対比で夜の吉原を見事に描いた葛飾北斎の娘、応為の半生を描いたバイオピック。基本、北斎と応為の父娘が貧乏長屋を転々とする話なので、薄暗い畳の部屋に這いつくばって絵を描く2人の場面が延々と続き、華やかさや動きに欠けていて絵的には退屈であった。
また、折角の天才親子の生涯なのだから、彼らの作品をもっと大画面で次々と写してほしかった。応為自身の人となりを知る史料がほとんどなかった為であろうが、江戸が生み出した唯一無比の女性浮世絵師の姿が見えて来ず、長澤まさみが単なる大女にしか見えなかったのも残念。

チェンソーマン ― 2025/12/08 17:45
□チェンソーマン レゼ篇(原作:藤本タツキ 監督:吉原達矢 2025)
「鬼滅の刃」と並び、世界的にも人気、売上が絶好調のアニメと聞いて、遅まきながら「チェンソーマン レゼ篇」を観た。未だにほぼ満席で驚いた。
実は、原作マンガやTVアニメは見たことがなく、いきなりの映画鑑賞だったが、「デビルマン」や「AKIRA」以来の、この手のSF超能力バトルアニメの伝統を踏襲しているため、話にはすんなりと入れた。
見所はスタイリッシュな作画と、米津玄帥のテンポの良い楽曲の魅力も合わさったビートの効いた立ち回り。みうらじゅんが週刊文春のコラムで、これも今公開中の「呪術廻戦」について書いている通り、「今のアニメはやっぱスゴイな!!」だった。
映画館の入っているビルのレストランでカキグラタンを食べて帰る。



MUGARITTZ ― 2025/10/19 20:09
□ムガリッツ(パコ・プラサ監督 2024スペイン)
「エル・ブジ(1964-2011)」と並ぶスペインの奇想レストラン「ムガリッツ(1998~)」のメニュー開発の過程を描いた料理ドキュメンタリー。前に「至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023)」を観た時にも感じたのだが、この手の料理映画には文法があるらしく、オーナーシェフを囲む御前会議の様子を延々と写している。
活気に満ちた厨房や出来上がった料理、美味しそうに食べる着飾った客たちは、絵的に面白いのだが、シェフ達の美食の禅問答には退屈した。食べる立場からすれば、料理は食べて何ぼのもんで、調理場のソクラテスには興味がないのだ。しかし、店としては一番知ってほしい、同業者にはきっと興味深い場面なのであろう。
このレストラン、まだ円高だったコロナ前に一度ツアーで行ったことがあるのだが、客の一人がいみじくも言ったように、得難い「食の体験」であった。

メガロポリス ― 2025/08/25 23:40
□メガロポリス(フランシス・コッポラ監督 2024)
かのコッポラ監督が私財170億円を投じて作り上げた、世界一金のかかった自主製作映画。話題と期待を集めたが、興行収入は21億円と大コケした。
近未来の又はパラレルワールドのニューヨークを思わせる、大都市ニューローマで覇権を争うキケロ市長と天才建築家カエサルを軸にした、「メガロポリス」興亡史である。登場人物の命名に象徴されるように、ローマ共和制史のパロディとも言える。
同時に、タイトルからは、都市を主人公にしたSF映画の古典「メトロポリス(フリッツ・ラング監督 1927)」へのオマージュであることが伺われる。ここでは、メトロポリスのロボット「マリア」に代わり、万能の新素材「メガロン」が登場するが地味である。
瞬間的な時間停止や豪華絢爛かつ退廃的なパーティーなど、面白い場面もあるのだが、同じコッポラ監督の、「地獄の黙示録(1979)」のようなスペクタクルも「ゴッドファーザー(1972)」のような骨太の因果もなく、一番の見せ場になるかと思われた人工衛星の落下もいつのまにか雲散霧消して伏線は回収されなかった。
綺麗な絵はあれどエンタメ成分は薄いので、ヒットしなかったのは分かる。つまりはゴジラの出ない怪獣映画、「裸のランチ(2019)」のように、こじんまりとマニア向けに作るべき映画であった。

岸辺露伴/懺悔室 ― 2025/07/30 18:53
□岸辺露伴は動かない 懺悔室(渡辺一貴監督 高橋一生主演 2025)
「ジョジョの奇妙な冒険」の作者 荒木飛呂彦の派生マンガ「岸辺露伴は動かない」の映画化第2作。前回の舞台はルーブルで、今回はベネチアだ。いづれも中世から伝わる荘厳華麗な美の本場なので映像が萌える。
古い教会で偶然に、日本人富豪の懺悔を聞いてしまった異能の漫画家 岸辺露伴は、富豪とその娘にからむ奇怪な呪いに巻き込まれていく・・・というお話。
売り物のベネチアロケは美しく、中世の街並みと伝統あるマスカレード仮面の美しさが楽しめた。但し、露伴はジョジョではないので活劇はほとんどない。
しかし、人の心に刻まれた履歴が本のように読める主人公の超能力「Heaven's Door」とは・・・、全く、ネタに困った漫画家の切実な願望なのであろう。

F1 ― 2025/07/28 20:16
□F1 THE MOVIE(ジョセフ・コシンスキー監督 ブラッド・ピット主演 2025米)
七度のF1世界チャンピオン ルイス・ハミルトンの制作参加も得て、可能な限りリアルなF1レースの再現を試みた、FIA公認ドライブシミュレーター映画。
実際のF1レースの最中に撮影を行い、編集の妙で、何処までが本当のレースでどこからが映画なのか分からないくらい上手く作られている。観客をレーサー気分にさせるという映画の目的は達せられていると言ってよい、欲を言えばもう少しオーバーテイクのスリルを味わいたかったが。
凝ったレース場面に比べれば、筋は単純で、ブラッド・ピット演じるベテランレーサーが、期待の新人とタッグを組み、反発しながらも徐々にお互いを認め合い、協力して勝利を掴む典型的なバディ物語だ。
ハミルトンの参加は、主人公と組む新人レーサーに、自身の若いころを思わせる黒人ドライバーを置くなど、単なる名前貸しではなく内容に深くかかわっているようだ。自らがフェルスタッペンを擁するレッドブルに最終戦でしてやられた土壇場の逆転劇や、小松(代表)マジックと言われたハースの「チームプレイ」の再現など、実際にあったエピソードもうまく映画に活用している。
また、ハミルトンのかつてのライバル兼バディであったアロンソ選手も台詞付きで登場するなど、多くのF1ドライバーが実名で出演しているのもこの映画の話題と人気の一因だ。日本の角田選手の登場場面もあると聞いて期待したのだが、レースの冒頭のクラッシュシーンだった。実写なんだろうが、なんだかなあ。

新JAPONISM ― 2025/07/26 19:59
□新JAPONISM 縄文から浮世絵そしてアニメへ(東博イマーシブシアター)
東博とNHKが組んで超高精細の映像体験を提供するというので期待して観に行ったが、大きな画面のEテレの美術番組と言うのが正直な感想。硬いサイコロみたいな椅子に24分座って2000円(一般、常設展含む)は、少し高いのではと思った。
ついでに、「江戸・大奥」展に関連したバーチャルリアリティー(VR)眼鏡を覗いた。VRは初体験だったが、解像度が荒いのであまり臨場感はなかった。




JUNK WORLD ― 2025/07/23 16:27
□JUNK WORLD(堀 貴秀監督 2025)
ほぼ一人で作り上げた処女作の人形アニメ「JUNK HEAD(2017)」がファンタジア国際映画祭で受賞して一躍脚光を浴びた堀監督の、満を期して公開した第2作。
前作の成功で資金が確保できたらしく、スタッフ数も6人に増え、3Dプリンターやモーションキャプチャーなど最新技術も取り入れて、人形アニメの造形も垢抜け動きも滑らかになっていた。特撮ファン大好きな爆破シーンも惜しげなく使われていて豪華だ。今回は台詞もちゃんと入っている。
しかし、美術と技術が洗練された分、前作にあったおどろおどろしい手作り感が薄くなったのはやや残念。話も複雑になっていて、時間遡行と並行世界を組み合わせたアイデアは盛り込みすぎて少しがちゃがちゃしていた。
進化したのはキャラクター、ダークな人型キャラクターが増えて大活躍する、楽しい。この2作目が売れれば、いよいよ作者構想3部作の最終章が拝めるらしい、刮目して数年後を待とう。

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