アニメの世界浸透と拡散2017/09/02 23:10

□オタク・イン・USA-愛と誤解のAnime輸入史
                         (パトリック・マシアス著、町山智浩編・訳)

 カリフォルニア州に生まれ、怪獣とアニメにあこがれた末に東京に在住しているアメリカ人のアニメ考を、東京で生まれ、カリフォルニアに住んでいる日本人が編集・翻訳した、オタクによるオタクのためのオタク史本(住所はいずれも2006年出版時)。
 Anime輸入史とあるが、原作マンガや怪獣映画・特撮ヒーローも扱われており、アメリカにおける日本のポップカルチャーの浸透と拡散の記録となっている。日本側から見れば、アメリカのオタク(NERD、GEEK)コミュニティを突破口にしたクールジャパンの売り込みの歴史とも言える。アニメではないが、失敗に終わった「ピンクレディー」のアメリカ進出も、この流れの中で紹介されている。
 扱われているのは、アトムよりもう少し後の時代、ガンダム、セーラームーン、うる星やつら、攻殻機動隊辺りまでだが、宮崎駿やポケモンなどのメジャーな題材は、さらりと流され、「やおい」マンガの米国上陸などが、オタク的に書き込んであるのが面白い。但し、宮崎アニメのオスカー受賞作を「もののけ姫」としているのは明らかな事実誤認(正しくは「千と千尋の神隠し」)で、著者のオタク力にやや疑問が生じる。
 小池一夫・小島剛夕の「子連れ狼」がマーベルコミックに与えた影響分析などは、日本人では気づきにくい視点として面白かった。高千穂遥の「ダーティ・ペア」もアメリマンガ(アメリカ版マンガ)になり、独自の進化を遂げたようである。
 本書を読むと、今やほとんどの日本のアニメ・漫画・劇画は、米国進出を果たしたように思えるが、何故か、かの過激なレディースコミックについての言及はなかった。著者の趣味に合わなかったのか、あるいは現在、上陸中なのか・・・。
 表紙見開口絵のアニメ・コンベンションに集う全米のコスプレイヤーの写真は、ある種天国のような悪夢のような・・・・それだけでも一見の価値あり。
 OTAKU UNITE!

JAZZ中学生「セッション」?2017/09/01 19:13

□御大のお怒りはご尤もの声高しなれど・・・

 著名なトランぺッター日野皓正氏と小・中学生との共演JAZZイベントで、指揮に従わず、えんえんとドラムソロを続けた中学生を、日野氏がびんた(のように見える動き)で止めさせたというニュースが、週刊文春の記事を契機に、TVでも流された。
 中学生は、最初、スティックを取り上げられ制止されても、なお素手でスネアを叩き続けたというのだから、御大のお怒りはご尤もだが、教育委員会主催のイベントでの体罰?はやはりまずかったようだ。
 僕は、この話を聞いた瞬間に、その中学生は、きっと映画「セッション」ごっこをしたかっただけなのだと思ったが、堀晃氏のブログにも言及があったので、やはりと、意を強くしたのであった。
 中学生にとっては、映画の世界の洒落は、現実世界にはなかなか通用しないことが、今の内に分かったのは、ある意味、幸せであったと思う。

ロメロ監督逝去2017/07/19 12:40

□ゾンビ(映画)の父の死

 「Night of the Living Dead(1968)」をはじめとするゾンビ映画の開拓者として著名なジョージ・A・ロメロ監督が7月16日に、肺がんで亡くなっていた。享年77才、日本では喜寿の年である。
 合掌。
 ロメロ監督は、報道では「ゾンビ映画の父」と紹介されていた。
 すると、母は誰なんだろう?


東北道SA
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沈黙2017/07/02 15:19

□べらべらと英語をしゃべる江戸時代の百姓!?

 遠藤周作の原作を「タクシー・ドライバー」のマーティン・スコセッシ監督が映画化したまさに「文明の衝突」映画。
 一言でいうと「転び伴天連」の話なので、辛気臭い話かと思ったが、さすがアメリカ人監督で、マルコポーロ航海記のような、あるいはロビンソン漂流記のような、秘境冒険物語の娯楽性もしっかりとあって、思ったよりは、変な話、明るく楽しめた。
 驚いたのは、下は百姓から上は奉行まで、はるばるポルトガルから密入国したパードレ(神父)に対して、みんな、なぜかポルトガル語ではなく、英語でべらべらと話すことだ。無論、パードレも英語で応える。なんか変だが、ともかく江戸時代の日本国民の英会話能力は、現代を凌いでいたようだ。
 今の目から見ると、この映画に描かれた、信徒達が天国を信じて嬉々として殉教していくありさまは、当時の徳川政府に、我々が宗教的な自爆テロに感じるのと同じ、底知れぬ不気味さを感じさせたであろうことが容易に想像される。時代の変化というものは、原作者も意図しなかった効果をもたらすもんだ。
 ユダ的役割のキチジローを演じる窪塚洋介がいい味を出している。


6月
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Born to be Blue2017/06/03 23:28

□チェット・ベイカーの物語

 近所の名画座でやっていたので、ウェストコーストの伝説的なJAZZトランぺッター、チェット・ベイカーを描いた音楽映画を観てきた。
 主演のイーサン・ホークは入神の演技で、トランペットは勿論エアーなのだが、本当に吹いているように見える(聞こえる?)し、歌は、自ら歌っている。但し、ホークの声は、本物のベイカーの歌声よりはよほどキーが低いので、劇中、「女のような声で歌う」と揶揄される場面が活きてこないのは残念なことである。
 話は、麻薬の代金を払わなかったために、トランぺッターの命とも言うべき前歯をへし折られたベイカーが、超献身的な奥さんと仲間の助けを得て、JAZZの聖地「バードランド」で、あのマイルスをも唸らせるほどの名演でカムバックするまでの、愛と努力の物語である。
 でも、再起をかけた演奏の前に、極度の緊張に陥ったベイカーは、一度捨てたはずの麻薬を再び打ってしまうので、さわやかな感動作とはならない。これでは、まるで、名演するためには、ヤクが必要だといっているようなものである。
 さらに、JAZZ奏者の菊地成孔の解説では、実際のベイカーには、映画の中のようになんでも許して旦那を崇拝してくれる(男にとっての)理想の奥さんなどはいなかったとのことなので、映画の中の「愛」の部分は嘘である。  
 そんなわけで、なかなかにBlueでBitterな映画であった。
 なお、同時期に作られたJAZZ映画には、マイルス・デイヴィスがマフィア相手に拳銃をぶっ放すという、「MILES AHEAD」なる怪作もあるということなので。これも是非上映してもらうよう、映画館にリクエストをしようかな、と思うのであった。


Born to be Blue


ゲン・ゴジラ(原ゴジ)!?2017/04/15 20:12

□元祖「ゴジラ」を観る。

 近所の映画館で、歴史的な元祖「ゴジラ」を観た。
 白黒なのに、
 CGの「シン・ゴジラ」の自在さに比べれば、
 重たい着ぐるみで、不自由な動きなのに、
 でも、凄い迫力。
 これぞ、ゲン・ゴジラ(原ゴジ)!
 平田昭彦演じる独眼竜の科学者、芹沢博士が格好良い。 
 

ゴジラ
ゴジラ
ゴジラ


エクス・マキナ2017/03/28 22:11

□少々退屈な・・・あるいはガラテアに逃げられたピグマリオン

 会社がはねてから、駅前の名画座で、「エクス・マキナ」を観る。
 AI仕掛けのピグマリオン映画だったが、思ったほど面白くなく、前半は退屈で、後半はドタバタだった。
 結局、生身でもロボットでも、女は怖いという教訓か?
 日本人離れした肢体のキョウコが謎である。
 

ラ・ラ・ランド2017/03/26 23:02

□思ったよりは・・・

 ハリウッドスターを目指す女優とJAZZピアニストの恋物語というふれこみだったので、華やかかつ能天気な成功談を期待したのだが、なんというかもっと、地味な弾けないミュージカル映画だった。
 一種の楽屋落ちとも言えよう。
 オスカーで大賞は逃した訳だ。
 PS トヨタのプリウスが準主役級で頑張ってる、キューとか鳴くのだ。

SING2017/03/19 20:25

□きゃりーぱみゅぱみゅの歌もSING

 ピクサーの手になるディズニーアニメ、もはやCGアニメの造形も、これ見よがしな立体感や細部の誇張もなく、ごく自然な表現になっていて違和感がない。
 内容は、題名「SING」の通り、スターを目指す若者たちの青春群像(但し皆動物)。
 ミュージカル映画としての部分、つまり音楽には、たっぷりと力がかけられていて、キャラクター(声優)の美声も凄い。
 吹き替えもあるが、字幕版で原語の歌声を楽しむべきであろう。
 オーディション場面では、日本のKAWAIIアイドルと思しき少女軍団(レッサーパンダ)が、突然きゃりーぱみゅぱみゅの歌(当然日本語)を唄いだすのでびっくりした。


SING
SING


この世界の片隅に2017/02/05 23:13

□呉の話

 広島は呉軍港の話。
 親父やお袋たちの世代は、こんな生活をしていたんだなあと思った。