オタキングとジブリ2018/01/15 19:47

□『風立ちぬ』を語る宮崎駿とスタジオジブリ、その軌跡と未来
                                 (岡田斗司夫、FREEex 2013)

 外向性オタクのパイオニアにして、今や社長であり大学の先生でもあるオタキングこと岡田斗司夫が熱弁する宮崎駿論。ゼロ戦の設計者、堀越二郎を主人公にしたジブリのアニメ「風立ちぬ」の公開に合わせて発表された基本ヨイショなので、一見鋭そうだが、実は甘噛みである。
 さはさりながら、独特の小気味よさは快調で、内容は、一言でいえば、芸術家、技術者の○○至上主義の擁護論である。
 本当に、宮崎駿が「風立ちぬ」で、そんな私小説のような自己表現をやりたがっていたのかは疑問だが、宮崎駿の本質はメカフェチだと、前から僕は思っていたので、結構納得する部分もあった。
 ただ、宮崎駿も含めて、技術が単なるガジェット以上の意味を持つ作品を論ずるのであれば、今や2011年3月11日の出来事は、避けて通ることは出来ない筈なのだが、全く言及がないのが批評としての欠落を感じさせる。

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