裸男像の分類鑑賞2020/01/22 20:29

□股間若衆-男の裸は芸術か(木下直之 2012)

 題名は古今和歌集のもじりであるが、内容は和歌に全く関係ない。野外や公共施設に置かれた裸男の彫像を巡って歩き、男の裸と芸術と公然わいせつについて考察した本である。
 絵画のように、作者の意図を説明する背景を持たない裸体像は、それ自体は、一種価値中立的な存在であるため、題名に頼らざるを得ず、ほぼ同じような像が、戦意高揚にも平和祈願にもなったという鋭い指摘もある。
 特筆すべきは、裸男彫刻が避けて通れない股間の造形処理について、葉っぱ・ふんどし等で隠す、ちょん切る、あいまいもっこりに誤魔化す(曖昧体)、素直に表現するなどの分類をしながら鑑賞する方法を指南している点である。
 僕も、読後に某美術館のロビーで早速、裸男のブロンズを発見し、分類鑑賞したが、典型的な曖昧体であった。


健人 雨宮治郎


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