座敷ぼっこ ― 2025/04/09 19:00
□ふしぎ文学館 座敷ぼっこ(筒井康隆 1994)
「霊長類南へ(1969)」など、どたばたSFのイメージの強い筒井康隆の、しかし抒情的な側面を表に出した短編集。「パプリカ(1993)」に通ずる夢と現実の狭間をたゆとうような作品も多い。「佇むひと(初出1974)」は再読だったが、やはり傑作であった。
虚航の作家とのイメージが強いが、意外と家族やペットを題材にした作品も多く、私小説的ですらある。子の喪失を扱った「母子像(1969)」と「夢の検閲官(1987)」は、今読むと、無意識からの警告を作品化したもののようにも感じられる。

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