運慶展2017/11/02 18:49

□運慶はダ・ヴィンチだ!?

 上野の森の夜のトーハク(東京国立博物館)に、「運慶」を観に行った。
 初期の、同じく仏師であった親父さん康慶の流れを引く、どこかぽっちゃりとした毘沙門天から、ダ・ヴィンチも顔負けのムキムキマンの(多分運慶作の)四天王に至るまで、仏像、武神象がずらりと並んで圧巻であった。
 面白かったのは、親父さんも含めた運慶前後の武神彫刻の変化を見て取ることができる点で、例えば、頭部、髪の毛の表現も、中国渡来の様式の影響が根強い康慶の作品は「兜」をかぶり、それが運慶では「髷」になり、さらにその後の世代では「怒髪天」いわゆる元祖スーパーサイヤ人に成っていくのだ。
 また、ご婦人方が可愛いと群がっていた赤面の制多伽童子像であるが、どこかで見た顔だとよく見れば、なんとお隣の国のロケットマンに似ているのであった。
 夜間は、トーハクの建物へのプロジェクションマッピングの投影があり、これも一つの立派な作品になっているので、お見逃しのなきように。


上野・運慶展
上野・運慶展