American GODZILLA2014/08/09 23:11

□悪魔v.s.相撲レスラーのようなバトル

 いよいよ待望のGODZILLAを見てきた。初代アメゴジ(American GODZILLA)は、巨大イグアナでがっかりしたが、2代目GODZILLAは、日本怪獣映画で育った監督の作だそうで、一応きちんとゴジラだった。つまり、がおあーんと鳴き、ぼうぼうと青光りする放射火炎を口から吐き出す。 
 映像は、さすがハリウッド金権集中的3DCGだけあって、迫力はあった。
 特に、ハワイやサンフランシスコが怪獣に蹂躙される破壊シーンは、9.11や3.11、東南アジア津波を思わせるリアルさで、少々気分が悪くなるほどであった。
 そのリアルさは、怪獣の造形にもおよび、ゴジラは可愛い耳が無くなりギョロ目は凶悪なカナツボ眼に変化して、愛嬌が無くなった。それでも主人公キャラなのでまだ、着ぐるみ起源の相撲レスラー体型は保っている。
 これに対し、敵役の新怪獣ムートーは、おそらく、カマキラスやレギオンが発想の元なのであろうが、CGの自由な造形性故にか、あるいはキリスト教民族の原デザイン感覚と言うべきか、古代怪獣と言うよりは、むしろ、聖書にある悪魔が巨大化したイメージである。 
 故に、クライマックスとなる二大怪獣最後のバトルは、巨人対悪魔の戦いのようにも見え、怪獣大決戦と言うよりも、むしろ神話的世界を創出するのであった。


GODZILLA2014