宇宙には、だれかいますか?2021/10/14 19:47

□科学者18人にお聞きします。宇宙には、だれかいますか?
                          (佐藤勝彦監修 2017)

 まさにタイトル通りの本で、天文学、生物学、工学など、様々な関連分野の専門家に、「だれか」と言えるほどの存在、つまり宇宙人の有無をインタビューしている。
 驚いたことに、宇宙生命の研究は、既に「アストロバイオロジー」と呼ぶ立派な新分野となっていて、大学共同利用機関の連合体である自然科学研究機構には、アストロバイオロジー研究センター(ABC)まで出来ていた(2015年設立)。
 ほとんどの回答者は、宇宙生命の存在自体には総じて肯定的であったが、知的生命体と我々がコンタクトできる可能性については、概ね悲観的であった。
 その理由として、人間のように高度に発達した生命体の社会は不安定なので、悠久の距離(=時間)を越えて出会えるほどには互いの文明が存続できず、有名なドレイクの式の「知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間」の項を満たせないのではと指摘している。悲しいことである。
 また、SETIのように、宇宙からの信号を聴き取る努力は問題ないが、宇宙に向けて地球から闇雲に呼びかけるのは、SNSで個人情報を見境なく発信するように、危険なのではないかという回答もあった。
 なるほど、この考えを極限まで突き詰めたのが、世界中でベストセラーになった中国SF「三体」なのだと納得した。
 なお、地球温暖化論に騙されるな!」の著者、地球惑星科学の丸山茂徳博士も、科学者18人の中に入っていたが、「われわれは孤独なのかもしれません」と、ごく普通に答えていたので、少し残念だった(何が?)。


宇宙には、誰かいますか?


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