「地球温暖化」論に騙されるな!2021/10/12 17:51

□「地球温暖化」論に騙されるな!(丸山茂徳 2008)
 
 タイトルほどは過激な本ではなかった。
 つまり、CO2増加による温暖化を全面否定している訳ではなく、それを上回る気候変動要素として、太陽黒点の活発化(温暖化)、地球磁場の減少による宇宙線照射量の増加(寒冷化)などを挙げて、真に備えるべきは、数度くらいの温暖化ではなく寒冷化であると警笛を鳴らしている本だった。
 著者によると、最近の温暖化は太陽の活発化により説明できる、一方で地球の磁場の減少はここ400年間続いている、磁場が減少すると宇宙線が増えるが、それによって雲が増えるので気温は寒冷化に転じ、「2035年に最低になると予測」している、また、「温暖化か、寒冷化か」の決着は10年以内につく。
 素人の僕が読むと、結構説得力が感じられるのだが、この本が書かれてから13年経った現在、温暖化はまだ進んでいるので、著者の10年以内寒冷化の予想は外れたことになる。
 しかし、超長期的な時間軸で観た場合、現在の地球の「間氷期」は確実に「氷期」に転じる筈である。また、宇宙線が増えると雲が増えるという理屈は今一理解できないのであるが、気候変動予測モデルの中でも、雲が気温を大きく左右する重要な要素であるのはその通りなので、無視できない。
 温暖化一色ではなく、寒冷化も気候変動研究に含めて、研究を進めることは、大変大事と思う
 蛇足ではあるが、本書の中で、気候学の第一人者でありながら「このプログラムで気候変動が予測できるはずがない」と言ったと書かれているプリンストン大学の真鍋淑郎は、つい先日、まさにこのプログラム(GCM:地球循環モデル)の開発でノーベル賞を受賞した。


地球温暖化論に騙されるな

 (追記)
 地球に降り注ぐ宇宙線が増えると雲が増えるというのは、大気に飛び込んできた宇宙線が雲の疑結核となって低層の雲が増えるということらしい。もともとは、太陽系が天の川銀河の腕を通過しているときに、銀河からくる強いエネルギーの宇宙線の影響て氷河期が起きるのではないかという仮説に由来する。
 現在の気候モデルでは、宇宙線による雲の発生は計算に入っていない。


上野の十月桜2021/10/12 20:10

□春までは、僕で我慢して下さいと、十月桜が言い。

 不忍池の蓮の紅葉まがいの枯葉を眺めて上野のお山に至ると、
 十月桜が咲いていた。


不忍池
上野公園の十月桜