大吉原展 ― 2024/05/10 23:21
□異様に目立っていた高橋由一、20回以上炎上した吉原
開催前から、吉原を「江戸アメイヂング」と讃えた惹句で炎上していた「大吉原展」@芸大美術館に行ってきた。炎上はむしろ人々の関心を集めたようで入りは盛況、女性客が多かった。コスプレ風の着物姿もいて、これはアニメ「鬼滅の刃(遊郭編)」の影響かも知れない。
展示のメインは、芸者をモデルにした菱川師宣や喜多川歌麿、鳥文斎栄之などの華やかな浮世絵、それらとともに吉原の町並みと花魁行列を再現した江戸風俗人形(TV人形劇「新八犬伝」で有名な辻村寿三郎作)も人気を呼んでいた。
しかし、個人的に強い印象を受けたのは、高橋由一が花魁を描いた日本最初期の油絵で、小品ながら、会場の目玉でもある歌麿の肉筆大作「吉原の花」をも圧倒する異様な迫力を発していた。北斎の娘、葛飾応為のレンブラントばりと称される光と闇の傑作「吉原格子先之図」も見られるかと期待したのだが、残念、これはなかった。
なお、会場で仕入れた豆知識であるが、吉原は20回以上も火事で炎上していた。放火も多く中には待遇改善を訴えた遊女によるものもあったという。主犯の遊女と雇い主はともに遠島の罪となったそうだ。

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