POE2012/10/20 23:00

□ミザリーもの

 「モルグ街の殺人」などで、元祖推理作家と言われるエドガー・アラン・ポーが、婚約者の命を救うために、シリアルキラーと対決する映画「ポー最期の5日」をおおたかの森で観る。
 ホラーの要素もてんこ盛りの猟奇犯罪映画で楽しめる。最初の山場となる、婚約者が誘拐される仮面舞踏会の場面も華麗で美しい。
 ミステリー映画としては、たった一人の犯人にいいように翻弄される、あまりに間抜けな警察など、話を進めるためのご都合主義があるのだが、テンポが良いので観ている間はあまり気にならない。ポーの推理もあまり冴えず、最後には、じれた犯人からわざと証拠を送りつけられる始末である。
 この映画のひとつの仕掛けは、ポーが犯人に脅迫されて新聞小説を執筆する件であるが、このような、サイコなファンに追い詰められて書くパターンは、スティーブン・キングの傑作にちなんで「ミザリーもの」と呼ばれるらしい。


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