エ/ン/ジ/ン2022/02/12 20:31

□エ/ン/ジ/ン(中島京子 2009)

 フラワーチルドレン世代のシングルマザーにより、自由奔放に育てられた娘ミライは、認知症で記憶を失った母を介護しながら、恋人の協力を得てまだ見ぬ父「あっちゃん」を探すが・・・、というお話。
 最初は、村上春樹を思わせる乾いた(というか翻訳米国小説風の)文体で、推理小説風に快調に動き始める物語であるが、だんだん湿っぽくなり、中途半端な着地で終わるのが、「残念な」小説。
 1971~2年にTVで放映された特撮ドラマ「宇宙猿人ゴリ」改め「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」改め「スペクトルマン」が、それこそエンジンのように話を駆動するので、中野サンプラザの「まんだらけ」が好きな人には嬉しいと思う。まだ見ぬ父親の綽名も「宇宙厭人ゴリ」である。
 最後の最後で、「ミヤちゃん」なる人物の名がいきなりでてくるが、ミヤちゃんっていったい誰だ?


宇宙猿人ゴリ