KUSAMA2023/03/08 11:46

□KUSAMA-愛、芸術、そして脅迫観念
                 (エリーザ・マチェッラーリ/栗原俊秀(訳)2021)

 水玉の絵描きとして世界的に知られる草間彌生(1929生まれ)の半生を漫画(グラフィックノベル)で描いた伝記、作者はタイ系イタリア人の漫画家で、先駆的な女流芸術家としての草間への憧れと共感が込められている。
 終戦後すぐの日本で、画学生であった26歳の草間が米国大使館で住所を調べてオキーフに手紙を書いて助言を求めた逸話にびっくりした。草間はその8年後に念願の渡米を果たし、前衛芸術の女王へと変身していく。僕はこの時代の草間の姿が渡英中のオノ・ヨーコ(1933生まれ)の芸術活動とダブって見える。
 やはりこのくらい積極性がないと夢はかなわないのだ。
 この漫画を読みながら、数年前に都内で開かれた草間の圧倒的な展覧会を思い出した。結局、色と形なのだ。


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