バスドライバーのろのろ日記2024/09/07 12:30

□バスドライバーのろのろ日記(須畑寅夫 2023)

 47歳で高校教諭から路線バスの運転手に転職した筆者の、しかし健康上の理由で60歳直前で辞めるまでの、悲喜こもごもな運転手生活を綴った日記。
 昔からバスの運転手になりたくて、一度は堅実そうな教職を選んだものの、結婚後もやはり夢をあきらめきれずに、遂に全うした、一人の男の人生の冒険談だった。
 読後、バスに乗ると、しみじみと感謝の念が湧いた。


路線バス
            本書の内容とは無関係なバスです。


ビッグ・クエスチョン2024/09/07 22:35

□ビッグ・クエスチョン 人類の難問に答えよう
                  (スティーブン・ホーキング/青木薫(訳)) 2019)

 おそらく人類最高の頭脳の一人だったホーキング博士(2018年逝去、享年76歳)が死の直前に遺した科学エッセイ集。専門分野の宇宙論、ブラックホールに限らず、ET、AI、人類の宇宙進出などについて、幅広く自分の考えを述べている。
 とても面白かったが、タイムトラベルにはもう少し楽観的であって欲しかった。また、博士が一種の宇宙体験(専用機G-フォースワンによる車椅子搭乗者としては初の無重力体験)をしたことを初めて知った。好奇心の塊だったのだ。
 本書の中で、博士はドナルド・トランプを世界の脅威と考える一方、イーロン・マスクを高く評価している。しかし、今、次期大統領選を前にして、マスクとトランプは手を組んでいる。世の中はM(Membrane)理論に劣らず複雑怪奇だ。


ホーキング博士


怪獣保護協会2024/09/07 23:35

□怪獣保護協会(ジョン・スコルジー/内田昌之(訳) 2023)

 その名もKaiju Preservation Society/KPS(Kは怪獣のK!)に拾われた失業中の主人公が、核爆発によって時空を超えて繋がった、もう一つの地球にあるホンダ(本多猪四郎!)基地に送り込まれ、仲間とともに怪獣保護に右往左往する怪獣SF。
 なんとなくイーロン・マスクを思わせる悪役もしっかりと活躍?する。
 円谷プロで(着ぐるみを使って)実写映画化しないかなあ。
 あ、イーロン・マスク繋がりで思い出した。この小説では登場人物がしっかりとマスクを着けていて、これがコロナ時代に書かれたことを刻印している。


怪獣保護協会