猫の一年 ― 2021/07/03 20:45
□猫の一年(金井美恵子 2011)
金井美恵子の辛口エッセイは好きだが、氏の本業の詩や小説を読んだことはない。ただ、朧げにデビュー当時の才媛と言われた煌めきの印象があるだけである。
さて、本書も雑誌に連載していたエッセイをまとめたもので、実姉の画家 金井久美子の描いたカラーの猫の絵がたくさん入っているので、詩画集みたいでもある。
内容は、およそ半分が亡くなった愛猫の思い出で、残りは、3割がサッカー、2割が歌謡曲歌手についてである。サッカーのほとんどは、引退した中田英寿の悪口であり、歌手はまるごと、ジュリーと言われていたころの沢田研二の悪口である。本田圭佑や桑田佳祐にも触れられはするが、好意的に一二行で片付けられている。
つまり、猫の話以外は、中田選手とジュリーの悪口な訳で、それだけたくさん悪口を書けるのは、つまり、著者はこの2人が好きなんだなあと思ってしまった。
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