Astronauci2026/02/22 03:22

Book Review
No Reply from Venus / Astronauci (Stanisław Herman Lem, 1951)

    This 75‑year‑old science‑fiction novel remains fascinating thanks to its enduring theme: “Encounter with the Unknown.”

    Humanity discovers that the Tunguska explosion was caused by an AI probe from Venus, and a crew of astronauts sets out on an atomic powered spaceship to investigate. 
    When they finally reach the planet, however, they find no alien civilization—Venusian had already perished long before their arrival.

    From today’s perspective, the description of the planet is clearly outdated, yet the sense of wonder that permeates the novel feels remarkably fresh.  
Lem’s faith in human potential and cooperation still resonates strongly even now.


Lem


The Fall2026/02/01 23:04

Movie Review: The Fall (Director Tarsem Singh, 2008)

    An injured stuntman in a hospital tells a fantastical story to a young girl with a broken arm.
    Fabulous performers in brilliant costumes designed by Japanese artist Eiko Ishioka bring to life a vivid world of swords and magic.
    Although the film was released 18 years ago, it still feels fresh.
    Enjoy the beautifully bizarre adventures.


The Fall


鬼滅の刃 無限城編2025/12/16 22:18

□鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来
              (原作:吾峠呼世晴 監督:外崎春雄 2025)

 「チェンソーマン」に続いてまた話題のアニメを観てしまった。我ながらつくづくミーハーである。今回も「今のアニメはやっぱスゴイな!!(c)みうらじゅん」と感心した。
 スタイリッシュな作画の「チェンソーマン」に比べて、「鬼滅の刃」の少年少女剣士は昔の漫画の丸っこい人物造形で描かれ、少女の目にはお星様どころか桜の花がきらきらと輝いているが、話は鬼と人との殺し合いなので「チェンソーマン」に劣らずえぐい。最強の敵、猗窩座とのバトルでは、これでもかと壮絶な技の応酬が披露される。話に深みを出すために猗窩座の人間時代が語られるが、少々冗長であった。
 しかし、一番の売りは、戦いの場に設定された無限城の描写であろう。エッシャーの絵を思わせる目くるめく永劫回帰のだまし絵は圧巻であった。おそらくそれを可能とする3D画像データーは一回の上映では元を取ることが難しく、ために今回のタイトルには「無限城編 第一章」と明白に次章を予告しているのではないか。


鬼滅の刃


チェンソーマン2025/12/08 17:45

□チェンソーマン レゼ篇(原作:藤本タツキ 監督:吉原達矢 2025)

 「鬼滅の刃」と並び、世界的にも人気、売上が絶好調のアニメと聞いて、遅まきながら「チェンソーマン レゼ篇」を観た。未だにほぼ満席で驚いた。
 実は、原作マンガやTVアニメは見たことがなく、いきなりの映画鑑賞だったが、「デビルマン」や「AKIRA」以来の、この手のSF超能力バトルアニメの伝統を踏襲しているため、話にはすんなりと入れた。
 見所はスタイリッシュな作画と、米津玄帥のテンポの良い楽曲の魅力も合わさったビートの効いた立ち回り。みうらじゅんが週刊文春のコラムで、これも今公開中の「呪術廻戦」について書いている通り、「今のアニメはやっぱスゴイな!!」だった。
 映画館の入っているビルのレストランでカキグラタンを食べて帰る。



チェーンソーマン



橋の入り口の銀杏2025/12/03 20:37

□佇む銀杏

 巨大パンダ像に至る大橋の両脇に、衛兵のように佇む銀杏が綺麗に色づいている。もしかしたら筒井康隆の短編に出てくる木人かもしれない。


上野駅


STAP細胞2025/12/02 02:47

□STAP細胞に群がった悪いヤツら(小畑峰太郎 2014)

 日本中を一時、歓喜の嵐に巻き込んだ(お手軽に作れる)万能細胞、STEP細胞の雑誌「ネーチャー」への掲載(2014)とその後の凋落、日本最大の研究のミスコンダクトをジャーナリストが追った記録。あれからもう10年以上たったのだなあ。
 中心人物の小保方氏はともかく、彼女を取り巻いていた理研の錚々たる科学者が何故このブードゥーサイエンスを見抜けなかったのか、それが騒ぎが終わってからの僕の一番の関心事だった。
 本書では、科学界と産業界、政界の悪しき馴れ合いや、巨大サイエンスそれ自体が巨額の権益を生む一大産業と化していることなど、事件を取り巻く背景が子細に分析されているが、「なぜ騙されたか」あるいは「何故だまし通せると思ったのか」という野次馬的好奇心は満たされなかった。
 結局の処、人間は「見たいものしか見ない」ということであろうか?


STAP細胞


泣き童子2025/10/03 19:10

□泣き童子 三島屋変調百物語 参之続(宮部みゆき 2013)

 快調な「三島屋変調百物語」の第三巻目、今回の版元は文芸春秋だ。一巻目が角川、2巻目が中央公論だったので、大所それぞれの顔を立てて出版しているように見える、それだけの人気作家なのだ。
 収録されているのは次の6話。
 ・魂取の池
  男女の仲を裂く意地悪な池の意地悪が吉と出て。
 ・くりから御殿
  山津波で失った幼馴染に会える不思議な屋敷。
 ・泣き童子
  悪人を見抜く幼子の魂が転生し。
 ・小雪舞う日の怪談語り
  三島屋ゆかりの岡っ引きの親分が語る亡者の見舞い。
 ・まぐる笛
  数十年に一度、山に現れ村を襲う怪獣をおさめる笛吹。
 ・節気顔
  罪滅ぼしに顔を亡者に貸す不思議な商売。

 一番恐ろしいのはやはり表題作の「泣き童子」、一番映像化してほしいのは江戸時代のゴジラ話のような「まぐる笛」でした。


宮部みゆき


スマホ条例2025/09/23 15:09

□ガーンズバック眼鏡が必要!?

 愛知県豊明市でスマホの使用を制限する条例が成立した。なんか読んだことのあるSFに似ていると思ったら、「ガーンズバック変換(陸秋槎 2023)」だった。
 この小説自体も、現実のネット・ゲーム依存症対策条例(香川県)をネタにしているのだが、段々現実とSFの境がぼやけて来た、まさか「1984」のようにはなるまいな。


ガーンズバック変換


銀河鉄道の夜2025/09/07 15:34

□銀河鉄道の夜 宮沢賢治(ロジャー・パルバース 2012)

 「戦場のメリークリスマス(1983)」の助監督も務めた、ニューヨーク生まれのオーストラリアの作家による宮沢賢治論。
 宮沢賢治を「宇宙の中の人間」をテーマとする不思議な作家と見定め、自然をライフブラッド(生きるためには、なくてはならないもの)とする姿勢に共感している。「銀河鉄道の夜(1934)」に見られる自己犠牲、他人の幸せを願う心が今こそ必要と説き、賢治作品の翻訳出版などを通して賢治教?の布教に努めているようだ。
 とても素敵な作家論だったが、一つ物足りないのは、賢治の日本ポップカルチャーへの影響への言及がなかったこと。その最も大きなものは松本零士の「銀河鉄道999(TV1978-1981)」だろう、賢治がいなければあのアニメは無かったのだ。
 

銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜byCopilot


あんじゅう2025/08/28 22:07

□あんじゅう 三島屋変調百物語 事続(宮部みゆき 2010)

 読みだすと止まらない宮部みゆきの「三島屋変調百物語」の第二巻、出版元は、一巻の角川から中央公論に替わっている。怪談は四編、南 伸坊の挿絵も楽しい。
 第一話 安住の村を追われ江戸に出て来た蛇神様と小僧
 第二話 良い人の中に隠れ住む魔物
 第三話 まっくろくろすけ(ススワタリ@「となりのトトロ」1988)の正体?(表題作)
 第四話 掟を破り罰せられた一家の恨みを晴らす邪仏
 付 記 偽坊主のご利益
 やはり表題作になるだけあって、第三話「暗獣」がユーモアとペーソスの案分も良くて一番面白い、一番怖いのは第四話の邪仏の話。それにしても、「三島屋」の四人の女の名が、「おちか(主人公、聴き手)」、「お民(女主人)」、「おしま(女中)」、「お勝(女中兼魔除け)」と、皆、「お」で始まる読み三文字なのは何故だろう。


宮部みゆき