ポストさらりまんが柏日記

□ゴジラvsコング（アダム・ウィンガード監督　2021）

　（ネタバレ有り）

　ハリウッドゴジラの第３作目である。２作目の「ゴジラ　キング・オブ・モンスターズ」で既にボスキャラ的なキングギドラを使ってしまったので、３作目の今回は、アメリカ代表のキングコングとくんずほぐれつの異種格闘技戦だ。

　ただ、ゴジラもコングも看板役者、どちらも負けるわけにはいかないので、猪木対アリ戦みたいに嚙み合わず、最後は共通の敵が出てきて協力するのであった。

　勿論、でっぷりと太ったトランプ顔のハリウッドゴジラは大暴れするが、シリーズを重ねるにしたがって反核やエコのテーマ性は薄れ、怪獣プロレス的な娯楽性が前面に出て来ている。それは、まあ良いのだが、今回は地球空洞説やメカゴジラまで出してしまい、あまりに具沢山で却ってお味が散漫になってしまった。

　また、昭和ゴジラの主要キャラはほぼ使い尽くしたので、これ以上シリーズを続けようとすると、社の壁を超えて、大映「ガメラ」を出すしかないのではと思ってしまう。あ、ミニラという手もある。東宝と親和性の高い円谷の「マイティ・ジャック」との組み合わせも面白そうだ。

　役者では、２作目で殉死した芹沢博士役の渡辺謙に代わり、いわば著作権者東宝が送り込む日本人枠を引き継ぐ形で　小栗旬がハリウッドデビューした。注目したのだが、英語棒読みの短いセリフが少しあっただけで、白目をむいて気絶しているアップのみが記憶に残るさえない登場場面であった。彼の黒歴史にならないことを祈る。