空飛び猫 ― 2023/10/06 17:14
□空飛び猫(アーシュラ・K・ル=グウィン/村上春樹(訳) S.D.シンドラー絵
1993(原著は1988))
シンドラー描く表紙絵の、可愛らしい羽根付き猫に釣られて読んでみた。
ル=グウィンの名前は、宮崎息子アニメ「ゲド戦記」の原作者たる高名なファンタジー作家として知ってはいたが、実は読むのはこの「空飛び猫」が初めてだった。
街の雑踏のゴミ箱を住みかとする猫家族に、何故か羽の生えた子猫が生まれ育ち文字通り羽ばたいて巣立って行き、森のはずれの人間一家に幸せに迎え入れられるまでの小さな冒険談。
最近、気が滅入っていたが、これを読んで少し心の平安を取り戻せた。
ル=グウィンを食わず嫌いだったのは、フェミニストで疲れそうというイメージを勝手に持っていたからだが、そんなことはなさそうなので、今度はSFの代表作「闇の左手」でも読んでみようと思った。
ところで、ファーストネームのアーシュラは、カトリックの聖女ウルスラからとったそうだが、カタカナで書くと阿修羅に似ている。
リンダリンダラバーソウル ― 2023/10/06 17:51
□リンダリンダラバーソウル(大槻ケンヂ 2006)
「筋肉少女隊」のヴォーカリストが書いた創作自伝的エッセイ。
90年代初頭の「三宅裕司のいかすバンド天国(いか天)」を契機に盛り上がったバンドブームの中、怒涛のデビューを果たした自身と多くのミュージシャンの話が詰め込まれていてとても面白い。
皆面白いが、圧倒的なカリスマを発揮した「X」と、ドブネズミみたいに美しかった「ブルーハーツ」への賛歌が、熱量も入っていて白眉である。
小説も書ける大槻ケンヂに対して、バンドで「いか天」に出場した漫画家みうらじゅんが後書きを寄せている。
届け出 ― 2023/10/06 18:07
□最高学府の中を通り抜けて。
某構内をとぼとぼと通り抜けて某役所に某制度の届け出を提出した。
WorstをせめてWorseにするための紙切れである。
ああ気が滅入る、
空飛び猫((c)ル=グイン)に会いたい。
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