脱炭素は嘘だらけ2022/04/04 16:41

□脱炭素は嘘だらけ(杉山大志 2021)

 先に読んだ「グリーン・ニューディール -世界を動かすガバニング・アジェンダ(明日香壽川 2021)」が、太陽光発電を主流とするエネルギー体制への急激な変換でゼロエミッション社会を目指すのとは、真逆の主張をする温暖化本。
 と言っても、CO2の温暖化効果を否定する訳ではなく、要は、その効果と進捗の度合いが巷間されるほど極端なものでも人類文明に致命的なものでもなく、温暖化のポジティブな面も踏まえて、徐々に世界の趨勢に対応すればよいと説いている。
 困ってしまうのは、僕のような門外漢には、読んでいる間は、どちらの本も、もっともだと思ってしまうことだ。著者の明日香も杉山も、実は一時、同じ民間のシンクタンクに席を置いていたことがあり、にもかかわらずこれだけ主張が異なるというのは、政策科学の幅広さというか、純粋科学とは違う分野だということかとも思ってしまう。
 両者とも錚々たる学歴と経歴の博士ではあるが、最も肝になる気候学の専門家ではない。このうえは、気候の専門家の決定的な解説が読みたいものである。本来、気候変動の「自然科学的根拠」のコンセンサス形成はIPCCの役目なのだが、本書ではその報告書を鵜呑みにしてはいけないと言っているしなあ。


脱炭素は嘘だらけ


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