失われた遺産2023/06/07 17:14

□失われた遺産
 (ロバート・A・ハインライン/矢野 徹・田中融二(訳)1982(文庫) 原著は1953)

 言わずと知れたミスターSFことハインラインの超能力ものアンソロジー。
 ・深淵:超能力スパイの活躍が描かれる、小松左京「エスパイ」の出発点?
 ・時を超えて:アニメで大流行りの異世界転生冒険記の元祖?
 ・失われた遺産:超能力の継承と発展、人類の行く末は?
 ・猿は歌わない:遺伝子改良猿の人権問題、今ならAIの人権問題?
 
 表題作「失われた遺産」の終わりは、かの有名なA・C・クラークの「幼年期の終わり(1952)」と重なる。このころ、人類は進化の果てに精神だけ(あるいは情報だけ)の存在になって宇宙に出ていくというビジョンが流行っていたのであろうか。昔からある、神様になりたいという願望の現代的な変奏とも言える。
 僕が一番好きになったのは、、お気楽異世界転生アニメのような「時を超えて」。
 これに限らず、ハインラインのアイデアは、ほとんどすべてのSFアニメの直接的あるいは間接的なネタ元だと思う。偉大な人である、足を向けて寝てはいけない。


失われた遺産


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「手賀沼」の読み方は? ひらがなで答えてください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://eastworld.asablo.jp/blog/2023/06/07/9593206/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。