気が遠くなる未来の宇宙の話2021/10/18 04:36

□気が遠くなる未来の宇宙の話(佐藤勝彦 2013)

 宇宙の最果てとか、宇宙の終わりだとかに関する学説の絵解き本。
 かのA.C.クラークの名言として、あまりにも発達した科学は魔法と区別がつかない、というのがあるが、それにならうと、観測したり確かめたりする術がほとんどない、あまりにも遠い先の話は、SFのように面白いと僕は言ってみよう。
 著者は、宇宙のインフレーション理論を初めて提唱した科学者。宇宙論の第一人者として、宇宙の終わりや始まりについて、さまざまな仮説を紹介する。
 それらによると、太陽は61億年後には赤色巨星となって地球を飲み込み、100兆年後にはすべての恒星が燃え尽きる、100京年後には超巨大ブラックホールだけが点在、さらに10の34乗年以降には物質すらも姿を消し、10の100乗年後には、ブラックホールすらも蒸発して宇宙は終わる。
 あるいは、曲率が正の宇宙では、逆回しのように宇宙が収縮していくかもしれない、(「三体」で前提としている)収縮と拡大を繰り返す宇宙もあるかもしれない。次元を代えて生き延びる宇宙も無いとは言えない。ダークマターやダークエネルギーを考慮すると、宇宙は、さらに色々ややこしくなる。
 おもしろいけど、読んでて疲れた。


気が遠くなる未来の宇宙の話