ポストさらりまんが柏日記

□脳はみな病んでいる（池谷裕二、中村うさぎ　2019）

　

　中村うさぎは、長きにわたって「週刊文春」にコラムを連載していて、林真理子の連載と双璧をなす辛口のユーモアエッセイとして楽しく読んでいたが、中村のコラムは、整形、風俗嬢体験とだんだん体当たり的に過激化し、ついには原因不明の難病による心肺停止を経て、あまりにも晦渋な内容となったためか打ち切られた。

　その後、どうしているのだろうかと思っていたが、自らの闘病体験に基づき、心と体の不思議を、脳学者　池谷裕二と語る対談集が出ていたので読んでみた。

　症状からは回復したが後遺症で車椅子生活を余儀なくされているものの、口ぶりはお元気で一ファンとしては喜ばしいことであった。

　幼少期からの、人とは違うことで生きにくかった体験を、同様の過去を持つ学者と確認しあい、最後は、ともども精神科医の鑑定を受けて、両人ともめでたく（？）発達障害の一種、自閉スペクトラム症の診断を受けて幕。