夢ならさめないで ― 2021/06/16 16:11
□夢ならさめないで-女だから感じる名画(結城昌子 1996)
惹句に曰く「シャガール、デルヴォー、ユトリロなど14人の画家の愛を感じる珠玉のアートエッセイ。」とあり、副題の「女だから感じる」が期待される内容なのだが、特に変わったことが書かれているわけではなく、読後しばらくたってからの感想は、文章のデテールは皆失せて、表紙の印象のみ強く、要するにこの作者は、デルヴォーの絵が好きなんだなあということばかり。
ああ、そういえば、ピカソの悪口は面白かった。
ロカ ― 2021/06/16 16:22
□ロカ(中島らも 2005)
酒場の階段から滑落死した日本のビートニク、中島らもの絶筆にして未完の遺作である。表紙に「近未来私小説」と名打ってあったが、SF的な要素は書かれた部分までにはなかった。作者のロックミュージシャン化計画が同時進行形で小説に反映されているという意味の「近未来」であれば、今となってはせつない。
タイトルの「ロカ」とは、著者と思しき主人公の老作家が、無聊を慰めるために買ったダブルネック・アコースティックギターに名付けた名前。多分ロッカーの意であろう。
老作家は、この重そうなギターを何処へでも担いで回り、カリスマロッカーをメンターとして、美少女とのバンド結成を夢見るが、さらなる内宇宙の深淵を目指す200x年ヤク中の旅の途中で、警官の職務尋問に会ってしまう、というところまで書いて、作家は彼岸に旅立ってしまった。故に、小説は永遠のTo Be Continued.である。
本作では、「DECO-CHIN」などの直前の短編で試行的に扱っていた、スーパーフリークバンドや、偏執狂的なチューニング魔、ギターカリスマなどのアイデアの統合化が図られている。作者は、見果てぬロックへの愛を集大成し、代表作「ガダラの豚」並みの長編に仕上げるつもりだったのだろうか?
惜しい。
本のカバー絵は、まるで美術評論家の瀧口修造の、余技というにはあまりにも素晴らしいデカルコマニーかと思ったが、実際は、氷結した滝の写真であった。
英語教室 ― 2021/06/16 18:34
□ドゥブロヴニク
クロアチアの古都、ドゥブロヴニクの話が教材だった。街のシンボルである飲料泉を訪ねてみたいものだ。
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