1Fの話2017/02/08 23:12

□専門家の話は難しい。

 都内某所で炉特性の専門家と飲んだ。
 1Fの事故後に、燃料棒がどのように溶けていったかが議論になったことがあった。
 一般的には、冷却水の喪失後、徐々にどろどろと溶けて行ったと思われているが、そうではなく、被覆管のジルカロイドはぎりぎりまで耐えていたが、緊急注水を契機にぱかんと割れて溶けていったと主張する学者もいた。その仮説を実験的に検証しようという動きがあるというのが話題。
 現象解明にかける意欲には感心するが、だったら注水しないで放っておけば良かったのかということにはなりようがないので、それがわかると過酷事故への対応にどう役立つのか、実際への含意が今一分かり難い。
 なんの脈絡もなく、prosumer(=producer+consumer)という、アルビン・トフラーが37年前に作った造語も話題になる。残念ながら、世の中は、彼の楽観的な予言とは異なり、どんどん悪くなっているような気がする。