折りたたみ北京 ― 2021/04/30 18:10
□折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー(ケン・リュウ編)
中国系米国人の作家、ケン・リュウが編んで英訳した中国のSF短篇集の日本語訳。現代中国SFを本格的に米国に紹介した最初の一冊となり、「三体」のヒューゴ賞受賞と世界的なベストセラー化のきっかけを作った、今から見ると歴史的な短編集。
三体の劉慈欣を含む7人の作家の13作品を収録してあり、編者の目論見通り、現代中国SFの網羅的かつ理想的な入門書となっている。
僕が気に入ったのは、「鼠年(陳楸帆)」。「モロー博士の島」の伝統を正しく引き継ぐ改造獣人ホラー。心を操るミュータントネズミというアイデアは、山田正紀の「別の世界は可能かもしれない。」と共通している。
ケン・リュウの解説にもあるが、収録された作品には、教条主義的な唯物史観など、我々が期待する中華人民共和国的な要素は皆無である。作家らの視点は、あくまでグローバル(マーケット)なのだ。
中国系米国人の作家、ケン・リュウが編んで英訳した中国のSF短篇集の日本語訳。現代中国SFを本格的に米国に紹介した最初の一冊となり、「三体」のヒューゴ賞受賞と世界的なベストセラー化のきっかけを作った、今から見ると歴史的な短編集。
三体の劉慈欣を含む7人の作家の13作品を収録してあり、編者の目論見通り、現代中国SFの網羅的かつ理想的な入門書となっている。
僕が気に入ったのは、「鼠年(陳楸帆)」。「モロー博士の島」の伝統を正しく引き継ぐ改造獣人ホラー。心を操るミュータントネズミというアイデアは、山田正紀の「別の世界は可能かもしれない。」と共通している。
ケン・リュウの解説にもあるが、収録された作品には、教条主義的な唯物史観など、我々が期待する中華人民共和国的な要素は皆無である。作家らの視点は、あくまでグローバル(マーケット)なのだ。
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