カモメはカモメ ― 2021/01/29 16:08
□特に研ナオコに似てはいない。
不忍池で嘴の紅いカモメを見た。脚も紅かった。
不忍池で嘴の紅いカモメを見た。脚も紅かった。
ビストロペイザンヌ ― 2021/01/29 20:12
□我が家のグランメゾンだった。
西口の「ビストロペイザンヌ」が2月中旬に閉店すると聞いて、お別れに訪れた。
十数年前、まだ柏に洋風の店がほとんどなかった頃に、この店が出来た時にはオアシスのように感じたものだ。以来、我が家のグランメゾンとして、記念日などに利用させていただいた。毎年のボジョレーヌーヴォーを楽しむのも此処だった。
しかし、生生流転である。不況に強いと言われた飲食業にとっても、新型コロナ禍は未曽有の大打撃であり、オーナーシェフの決断を促した。
外側はカリッと、中はきれいなロゼに焼けたカイノミに、ワインとブロスを煮詰めたソースをかけたのを頬張りつつ、この味も食べ納めかと思うととても寂しくなった。
オシドリ夫婦で切り盛りされるこの店の、なんとも言えない暖かさ、居心地の良さも代えがたいものがあった。誠に残念だがどうにも仕方がない。ステーキの最後の一切れを、ブルゴーニュの赤とともに有難くいただいた。
料理人として脂が乗り切った年代の渡辺シェフ、今後は、ゴルフ場のレストランで腕を振るわれるとのこと、その人生に栄光あれ。
西口の「ビストロペイザンヌ」が2月中旬に閉店すると聞いて、お別れに訪れた。
十数年前、まだ柏に洋風の店がほとんどなかった頃に、この店が出来た時にはオアシスのように感じたものだ。以来、我が家のグランメゾンとして、記念日などに利用させていただいた。毎年のボジョレーヌーヴォーを楽しむのも此処だった。
しかし、生生流転である。不況に強いと言われた飲食業にとっても、新型コロナ禍は未曽有の大打撃であり、オーナーシェフの決断を促した。
外側はカリッと、中はきれいなロゼに焼けたカイノミに、ワインとブロスを煮詰めたソースをかけたのを頬張りつつ、この味も食べ納めかと思うととても寂しくなった。
オシドリ夫婦で切り盛りされるこの店の、なんとも言えない暖かさ、居心地の良さも代えがたいものがあった。誠に残念だがどうにも仕方がない。ステーキの最後の一切れを、ブルゴーニュの赤とともに有難くいただいた。
料理人として脂が乗り切った年代の渡辺シェフ、今後は、ゴルフ場のレストランで腕を振るわれるとのこと、その人生に栄光あれ。
(追伸)
2月に入ってから、お店の前を通りかかると、内装解体の工事の最中で、9日に閉店した旨の、シェフとマダム連名の張り紙がしてあった。真に残念。
困ってる人 ― 2021/01/29 22:57
□困ってる人(大野更紗 2011)
免疫不全系の難病がある日突然発症し、以来全身の炎症に苦しみながらも、決して諦めず、自分の道を進む作者の闘病記。刊行当時はベストセラーとなった。
病気にはかかりたくないものだが、どうしてもかかるのであれば、メジャーな病気のほうがなんぼかマシである。患者数が多い病気は医療マーケットが巨大なので、治療法や新薬も莫大な資金を投じて開発される、病院も慣れているので、治る、少なくとも共存できる可能性は高い。
しかし、数が極端に少ない難病の場合は、まず、病名の確定までが一苦労である。ほとんどの医者は経験がないので、自分の診ているものを同定できない、この段階ですでに患者のストレスは尋常ではない。
ようやく病名がわかっても、患者数が少ない病気には、有効な治療法も開発されていない。患者は、基本的な治療方針も定まらないままに、対処療法でしのぐしかない。希望のないままに症状は悪化し、治療費だけが膨らんでいくのだ。
しかも、今の医療制度の下では、治らなくても3~6か月で退院しなければならない。病院で病の床に臥せることも許されず、医療難民となるのだ。
難病とは、治療が難しいばかりでなく、社会的に位置づけるのが難しいから難病なのである。他人事であればお気の毒で済むが、自分の身に起きるのであるから悲惨である。尻が炎症で壊れていっても、消毒するしか手がないのだ。
それでも作者は、恋も勉強も諦めない、公的支援などの社会制度を可能な限り活用しながら、しゃにむに退院し、大学院に入り直し、ユーモアにあふれる本書を書いた。凄い、たいしたもんだとと思う。著者をそれこそ「全集中」で応援した両親も凄いと思う、肉体的精神的経済的にものすごく大変だったと思うが、本書ではムーミンパパ・ママとしてひょうひょうと娘を助けている。
とても元気づけられる本だ、何の病気であれ、闘病中の人には強く薦められる。
退院後の生活を描く続編「シャバはつらいよ」もあるので、そのうち、読んでみよう。
なお、作者の近況をネットで探すとWikipediaに、「東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野にて、日本学術振興会特別研究員(PD)」とあった。念願通り博士(社会学)となって、難病支援の方法論を研究しているのだ。
これで三回目となるが、本当に「凄い」と思う。
免疫不全系の難病がある日突然発症し、以来全身の炎症に苦しみながらも、決して諦めず、自分の道を進む作者の闘病記。刊行当時はベストセラーとなった。
病気にはかかりたくないものだが、どうしてもかかるのであれば、メジャーな病気のほうがなんぼかマシである。患者数が多い病気は医療マーケットが巨大なので、治療法や新薬も莫大な資金を投じて開発される、病院も慣れているので、治る、少なくとも共存できる可能性は高い。
しかし、数が極端に少ない難病の場合は、まず、病名の確定までが一苦労である。ほとんどの医者は経験がないので、自分の診ているものを同定できない、この段階ですでに患者のストレスは尋常ではない。
ようやく病名がわかっても、患者数が少ない病気には、有効な治療法も開発されていない。患者は、基本的な治療方針も定まらないままに、対処療法でしのぐしかない。希望のないままに症状は悪化し、治療費だけが膨らんでいくのだ。
しかも、今の医療制度の下では、治らなくても3~6か月で退院しなければならない。病院で病の床に臥せることも許されず、医療難民となるのだ。
難病とは、治療が難しいばかりでなく、社会的に位置づけるのが難しいから難病なのである。他人事であればお気の毒で済むが、自分の身に起きるのであるから悲惨である。尻が炎症で壊れていっても、消毒するしか手がないのだ。
それでも作者は、恋も勉強も諦めない、公的支援などの社会制度を可能な限り活用しながら、しゃにむに退院し、大学院に入り直し、ユーモアにあふれる本書を書いた。凄い、たいしたもんだとと思う。著者をそれこそ「全集中」で応援した両親も凄いと思う、肉体的精神的経済的にものすごく大変だったと思うが、本書ではムーミンパパ・ママとしてひょうひょうと娘を助けている。
とても元気づけられる本だ、何の病気であれ、闘病中の人には強く薦められる。
退院後の生活を描く続編「シャバはつらいよ」もあるので、そのうち、読んでみよう。
なお、作者の近況をネットで探すとWikipediaに、「東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野にて、日本学術振興会特別研究員(PD)」とあった。念願通り博士(社会学)となって、難病支援の方法論を研究しているのだ。
これで三回目となるが、本当に「凄い」と思う。
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