シン・ウルトラマン2022/05/13 20:10

□シン・ウルトラマン(企画・脚本 庵野秀明 監督 樋口真嗣 2022)

 スカッとさわやかな怪獣プロレスを期待していったのだが、・・・?であった。
 大体「空想特撮映画」と名乗っていて、着ぐるみが出てこないのにがっかりした。
 ウルトラマンはスーツアクターの演技を超えた息遣いが命なのに、カラータイマーも無い八頭身のCGウルトラマンは、ただただ冷たい。
 シン・ゴジラの時にも感じたのだが、CG・SFXは実写に近いアニメであってライブアクションとは言えない。円谷特撮への愛を公言する庵野氏には、日本の伝統芸の維持継承のためにも、是非着ぐるみで撮ってほしかったものだ。
 話も、TV放映時の巨大化するフジ・アキコ隊員のエピソードを組み込むなど、にやりとする場面もあるのだが、シン・ゴジラと同じく疑似ポリティックスの場面が長すぎて冗長になってしまった、怪獣場面も意外と地味である。
 オタク要素や寓意はあってもよいが、エンタメとしてカタルシス不足は困る。
 話をひねりすぎているので「鬼滅の刃」のように若年層が喜ぶとも思えず、青春「スパイダーマン」のようにデート向きとも思えない。
 偶然の一致であろうが、ロシア・ウクライナ戦争が始まった直後の公開となった今では、悪い怪獣(ロシア)が攻めてきても良いウルトラマン(アメリカ)が助けてくれると頼り切っている日本の戯画のようにも見えて居心地が悪い。
 初日なのに劇場は僕も含めておっさんの観客ばかりがパラパラといるだけだったが、商売として大丈夫か?
 P.S. あくまで個人の感想です。


おおたかの森


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「手賀沼」の読み方は? ひらがなで答えてください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://eastworld.asablo.jp/blog/2022/05/13/9491003/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。