TOVE トーベ2021/11/22 23:49

□TOVE トーベ(ザイダ・バリルート監督 フィンランド/スウェーデン 2020)

 「ムーミン(ムーミン・トロール)」の作者、トーベ・ヤンソンの伝記映画。
 フィンランドの自然の中で、想像力豊かに育った少女が偉大なファンタジー作家となる・・・「まんが道(藤子不二雄)」みたいな成功談を期待して観たらまるで違った。
 ナチスドイツの影に怯えるヘルシンキで、あまり売れない彫刻家の不細工な娘として育った、売れない絵描きのトーベは、生活のために新聞にカートゥーンの連載を始めるとこれが大人気となり、「ムーミン」が誕生する。
 トーベは、男とも女とも貪欲に愛を交わしながら、JAZZ(Sing,Sing,Sing)をバックに、タバコをすぱすぱ吸い、酒をがばがば飲んで、ムーミン谷の物語を紡ぎ出していく。なんとなく「グレート・ギャツビー」のフィッツジェラルドみたいだ。
 真っ白なカバのように純真無垢なムーミンの中には、おどろおどろしい情念を抱えたヤンソン・トロールが潜んでいたというお話だった。
 TVアニメ「楽しいムーミン一家」が大好きな子供に見せたら、魂消るであろう、見せん方がいいと思う。 
 でも、劇中、トーベが恋人の美女、演出家ヴィヴィカと組んで上演した、ムーミンの着ぐるみミュージカルは楽しそうだ。日本でも「劇団飛行船」がアニメベースで上演していたようなので、機会があったら観てみたいもんである。


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