日本アニメ誕生2020/12/21 21:36

□日本アニメ誕生(豊田有恒 2020)

 SFではなく、日本のSFアニメを始めたSF作家の自伝、そのままクールジャパンの主力商品として今をときめく日本アニメの誕生史にもなっている。
 著者の豊田有恒は、SFマガジンコンテストに受賞後、手塚治虫にあこがれ、「エイトマン」、「鉄腕アトム」、「スーパージェッター」、「宇宙少年ソラン」のシナリオライターを務めた後、頭脳集団「パラレルクリエーション」を立ち上げて、「宇宙戦艦ヤマト」のSF設定などを手掛ける、一方、SF作家としては「ヤマトタケル」シリーズを刊行する。
 読んでみて、なるほどそうだったと改めて気が付いたのは、日本のTVアニメは、最初の「鉄腕アトム」を皮切りに、「鉄人28号」、「エイトマン」と、ロボット3連作で始まったこと。発生学的に日本アニメは、ロボットアニメが保守本流で、これが「マジンガーZ」、「ガンダム」、「エヴァンゲリオン」とつながっていくのだ、最近、お後がいないような気がしてちと寂しいが。
 「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー西崎義展の功罪についての記述も興味深い。著者の見立てでは、ほんとの原作者は「おおよそ松本零士」、さもありなん。
 自作の「ヤマトタケル」も数回アニメ化の話があったが、結局実現しなかったそうで心残りの様子だ。まだ、チャンスはある!と思う。
 同じ著者で「日本SF誕生」というのもあるので、これもそのうち読んでみよう。


日本アニメ誕生


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