「奇想の系譜展」に備える2019/02/10 19:12

□奇想の系譜(辻 椎雄 1970)

 今、東京都美術館で開催されている「奇想の系譜展」を観る前のお勉強用にと、図書館で元本を借りて読んだ。
 1970年当時は、まだ評価がそれほど高くなかった岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳を、奇想というキーワードで括り、広く美術愛好家に日本美術の多様性を印象付け、今の若冲ブームの下拵えをした名著である。
 著者辻氏の一押しは、表紙にもした蕭白であおうが、僕は、大猫のようなとぼけた虎を描いた芦雪が好きだな。


奇想の系譜


堺屋太一さん逝去2019/02/10 23:12

□「団塊の世代」の万博男?

 平成も終わらんとしている今や懐かしの言葉となりつつある「団塊の世代」の名付け親の元通産官僚にして、小説家、元経済企画庁長官の堺屋太一さんが8日、病気で亡くなられていた。
 マスコミの訃報には、堺屋氏の大阪万博(1970年)への貢献は書いてあったが、氏が全く世間にインパクトを与えないままにいつの間にか終わったネット上の博覧会、インパク(2001年)の発案者であったことには触れられていなかった。なかったことにしたい実績なのであろうが、時代を先取りしすぎていたとも言える。
 享年83歳、合掌。