目指せ画狂人超え2018/07/03 23:25

□アトリエ日記~やっぱりアトリエ日記(野見山暁治 2007~2014刊)

 ひょっとしたら現役最高齢(1920年生まれ)であるかもしれない高名な画家の、アラ90歳のころからの日記シリーズ。絵画雑誌への連載を纏めたもの。
 ・アトリエ日記(2007)
 ・続アトリエ日記(2009)
 ・続々アトリエ日記(2012)
 ・やっぱりアトリエ日記(2014) 
 (・じわりとアトリエ日記(2017)未読)
 絵画制作、来客、展覧会、飲み会、別荘地、アトリエの維持など、淡々と画家の日常が語られるが、筆者の年齢が高じるに従い(つまり最近の日記になるに従い)、知人、縁者、親戚の入院、訃報が多くなる。後になると、大体、一冊当たり4人死んでいる。自身の怪我、病気、治療の話も増えてくる。何せ、大正、昭和、平成を生き抜き、パリの藤田嗣二とも親交のあった大長老の絵描きなのだ。
 「やっぱりアトリエ日記」になると、終活なのか、自分の死後の遺産相続の話が出てくる。筆者の遺作(会計的には大量の在庫品)を遺族が相続すると膨大な相続税が課せられるが、実際には評価額で絵が売れる訳でもないので、生きてるうちに自作を上手に処分(捨てる!?)しないと、相続者が大変困るらしい。初めて聞く話なのでびっくりした。(成功した)職業画家ならではの悩みである。勉強にはなるが日曜画家の僕の参考にはならない。
 ただ、ひょっとしてと思ったのは、最近、水玉模様で有名な国際的な女流画家が自分の美術館を一般財団法人として設立したこと、これも、作品の散逸を防ぐとともに、相続税対策かも知れないなと。
 日記に戻ると、飲み会の話もよく出てくるが、芸術論はほとんど無い。でも、不思議と一冊読むと次も読みたくなるのだった。
 画伯は、今年もまた一冊エッセイ集を出している。
 ・みんな忘れた: 記憶のなかの人(2018)
 藤田嗣治のことも書いてあるようなので、その内、読んでみよう。
 筆者には、画狂人北斎が願って敵わなかった百歳まで、生きて描き続けてほしい。


野見山暁治


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