だれころJ-POP!?2018/03/24 13:03

□誰がJ-POPを救えるか?(麻生香太郎 2013)

 演歌、アイドル唱歌から、フォーク、ロックを経て、AKBに至るまでの日本歌謡史。
 誰が救えるか?というタイトルだが、目次には「ソニーがJ-POPを殺した」「韓流がJ-POPを殺した」「つんくがJ-POPを殺した」「○○がJ-POPを殺した」と並ぶので、実質「だれころ(誰が○○を殺した?)」である。最終章だけは「平成10年代生まれがJ-POPを救う」と救いがあるが、具体的なアーティスト名や音楽会社が取り上げられている訳ではないので説得力は薄い。
 内容を大雑把に言うと、ネット社会の急速な進展に伴って、音楽はどこでもタダでダウンロードできるコモディティと化したあげく、音楽自体(CD等)の売り上げはがた減りになり、厳密な販売戦略に基づく(韓流アイドルのような)イベント産業だけが生き残るということらしい。
 つまり作家性は過去の遺物となるらしいが、僕が今感心している「ONE OK ROCK」はやはり個性で売れていると思うので、そんなに悲観することはないと思う。
 将棋の羽生竜王も、AIでは「ふなっしー」のような規格外のデザインは出てこないと言ってるということだし。

 PS 今日、著者の麻生さんの訃報が出ていてびっくりした。享年65歳、6日にがんで亡くなられていた。野口五郎「針葉樹」や森進一「新宿・みなと町」の作詞者でもあるそうだ。合掌。2018/3/26